蜀犬 日に吠ゆ

1919-10-24

[][]十月二十四日 神経の衰弱はまず はてなブックマーク - 十月二十四日 神経の衰弱はまず - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 神経の衰弱は、まず、音にたいする敏感、頭脳や足の疲労感、そして最後に、不眠によって気づかれるのが普通である。それに対する処置は、十分な睡眠、温かさ、新鮮な空気、運動、軽くてよい栄養である(しかし、アルコールやそれに類するものは絶対にいけない)、そしてなお、それらのものが精神的高揚と結びついていることが大切である。このような時に、往々、「主よ、お助けください」と叫んでも、「おお、信仰のうすい者よ、なぜ疑うのか」という答えを聞くこともよくある。だが、この答えにもかかわらず、やはり助けは与えられる。マタイによる福音書一四の三〇・三一*1、八の二六。そしてはげしい風は、まもなくおさまるのが常である。もし風がつづくようなら、一日か二日ベッドのなかでやすむのも、きき目がある。神経を無視することはできないが、またそれ甘やかしてもいけない。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「しかし風を見て恐ろしくなり、そしておぼれかけたので、彼(ペテロ)は叫んで、『主よ、お助けください』と言った。イエスはすぐ手を伸ばして彼をつかまえて言われた、『信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか』。ふたりが船に乗り込むと、風はやんでしまった。」