蜀犬 日に吠ゆ

1919-10-26

[][]十月二十六日 善い事業であればすべて はてなブックマーク - 十月二十六日 善い事業であればすべて - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 善い事業であればすべてそれに直接関与するということは、必要でもなく、また、できることでもない。ひとにはそれぞれ、特にその人にゆだねられている、限られた分野がある。しかし関心だけならば、この世で行われるすべての善事に対して、これを持つことができる。自分で仕事をすることと、関心をもつこと(すなわち、その仕事を知り、好意をよせ、その成功のためとりなしの祈りをすること)とは、同じではない。しかし、この場合でも、たとえただわずかにせよ金銭を寄附することが、その関心を活発に維持し、その事業にある程度の結びつきを持たせることは事実である。だから、そのために、かようなすべての事業にささげる特別な貯金箱を用意しておくことは、価値あることであり、その上には神の祝福が宿るのである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫