蜀犬 日に吠ゆ

1919-11-01

[][]十一月一日 あなた自身に許してよいかもしれない謙遜なほこり はてなブックマーク - 十一月一日 あなた自身に許してよいかもしれない謙遜なほこり - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 コリント人への第一の手紙一五の一〇。「しかし、神の恵みによって、わたしは今日あるを得ているのである。そして、わたしに賜った神の恵みはむだにならなかった。……」――これは、おそらくあなたがたが、パウロとともに、あなた自身に許してよいかもしれない謙遜なほこりであり、そして、地上のほかのどんな名声や好評よりも、はるかにまさるものである。詩篇第九二篇、ピリピ人への手紙二の五―九。

 これに反して、この世のほまれはつねに悩みをともなうものである。これはたやすく観察できることで、特に新聞の称讃について、そうである。だから、新聞の称讃に敏感であったり、けなされた場合に腹立たしさを覚えたりする人は、よかれあしかれ、自分のことにふれた新聞記事を、一切読まないのが一番よろしい。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫