蜀犬 日に吠ゆ

1919-11-18

[][]十一月十八日 他人の判断や好き嫌いにふくまれる はてなブックマーク - 十一月十八日 他人の判断や好き嫌いにふくまれる - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 ヨハネによる福音書一五の二・一八・一九・二〇。他人の判断や好き嫌いにふくまれる、いくらかの忘恩と不公平とに、あなたも耐えうるようにならねばならない。ある人の同時代人たちが、その人に対して二つの物差しを持っていることは、別段珍しくはない。すなわち、その人が彼らの仲間であるかどうかでいくらか加減される物差しと、もう一つは、その人に対する真の見解をふくむ、もっと無条件な物差しである。しかし、およそ大切なのは、そのようなものではなくて、ただ神のさばきだけである。そして、この点については、ヨハネによる福音書三の二七・三六*1が、洗礼者ヨハネの口を通して、きわめて正しい言葉を語っている。本当の永続的意義は神から与えられるものであり、従ってそれは人間の、キリストに対する正しい態度と関連している。かような正しい態度を持たないすべての人たちの頭上には、つねに何か名状しがたいものがただよっていて、彼らがその人生の目的や真の幸福に到達するのを妨げている。一方、キリストに対して正しい態度をもっている人びとは、生まれつき才能も乏しく、その上、多くの欠点を持ちながらも、なお人生の目的や真の幸福に到りうるのである。われわれは右のような道程をきわめて明瞭に跡づけることができる。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「ヨハネは答えて言った、『人は天から与えられなければ、何ものも受けとることはできない』。『……御子を信じる者は永遠の命をもつ。御子に従わない者は、命にあずかることがないばかりか、神の怒りがsの上にとどまるのである』。」