蜀犬 日に吠ゆ

1919-11-20

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眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 地上における神の国は、もとある宗族の歴史である。それがしだいにさまざまの困難をへながら、特定の小さな民族と国土とのの国民的歴史となり、そして、ずっと後になって初めて、すっかり文明開化したあらゆる民族の一般史にまで成長してきたのである。神の国はその点でおどろくほど自然的なもの、単純なものをもっている。そのなかの奇跡的なものでさえ、単純な、自然な形式につつまれている。そこで、神の国をこの歴史的・自然的形式のままで受けいれる人は、それを最もよく把えることができる。しかしこのようなうけとり方は、今日の教養人のあいだでは、ほとんど失われてしまった。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫