蜀犬 日に吠ゆ

1919-11-22

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眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 時おり、ひとは宗教や教会や哲学のことなど、もはやなにも聞きたくない、それよりも単純率直に、「わが神よ、わたしはみこころを行うことを喜びとします。あなたのおきては、わたしの心のうちにあります」(詩篇四〇の八)と言うことができたら、と、ひたすらあこがれることがある。

 ゴルドン将軍のようなキリスト者が、堅固な信仰をもつマホメット教徒をも尊敬すべきものと思い、少なくともたいていのイギリス人と同じようによい人だと考えたということは、わたしもよく納得できる。

 しかしそれでもなお、神みずからが望まれる神への道は、ひとりキリストを通してであって、これを回避することは決して許されない、ということは、あくまでも真実であり、初めにのべたような気持の時にも、このことを絶えずいきいきと眼前に浮べていなければならないのである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫