蜀犬 日に吠ゆ

1919-12-11

[][]十二月十一日 現代に対する主の言葉 はてなブックマーク - 十二月十一日 現代に対する主の言葉 - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 ヨハネによる福音書一〇の一・九・二八*1は、現代に対する主の言葉である。今日、なるほど多くの人たちが、現在の状態に対してよりよき真理を求めてはいるが、しかし、彼らは真理にいたる歴史的な門からはいって行こうとしない。パウロは、テモテへの第二の手紙二の二三―二六と三の一―九において、そのような人たちのことを、また、それと対照して、まことの真理探究者のことをも、きわめて手厳しくではあるが、この上なくみごとに描いている。ここに記された「終りの時」は、パウロがはっきり信じたように、当時すぐ眼の前に迫っていたばかりでなく、ほとんど二千年後の今日、われわれはふたたび教会のさし迫った革新という昔と同じ困難に直面している。この場合、キリスト者だからといって、必ずしもよい実例を示すとはかぎらない。

 なおまた、パウロが大量に信者を獲得した結果、初期のキリスト教がどんなありさまであったかを、それらの信頼すべき箇所が語っている。それゆえ、われわれが教会の革新に進もうとするとき、初代キリスト教会は、無条件にわれわれの手本とすることはできない。

 テトスへの手紙一の一〇・一一・一五・一六も参照のこと。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「よくよくあなたがたに言っておく。羊の囲いにはいるのに、門からでなく、ほかの所からのりこえて来る者は、盗人であり、強盗である。」「わたしは門である。わたしをとおってはいる者は救われ、また出入りし、牧草にありつくであろう。」「わたしは、彼らに永遠の命を与える。だから、彼らはいつまでも滅びることがなく、また、彼らをわたしの手から奪い去る者はない。」