蜀犬 日に吠ゆ

2007-06-16

[]若い翼は 23:45 はてなブックマーク - 若い翼は - 蜀犬 日に吠ゆ

小さな頃、僕は宝物を高い木の上に隠していた。

何故って、僕は空を飛ぶことができたから、誰にも手の届かないところに宝物を隠すことができたのだ。

宝物のことも、空を飛べることも、僕だけの秘密だった。

ある時、僕が宝物を隠してある梢に座っていると、友達が空を飛んできた。「おい、おまえ、いいものもってんなあ」

僕は、宝物を見られたことよりも、背中の翼から羽が落ちていくのを感じてめまいがした。

飛べるのは、僕だけじゃあなかった。

それ以来、僕はずっと地をはい回り、そうすることで醜い自尊心を満足させている。