蜀犬 日に吠ゆ

2007-08-07

フランス中世史夜話

朝青龍 22:30 はてなブックマーク - 朝青龍 - 蜀犬 日に吠ゆ

とは全然関係ないのですが、読みたい本。


[]0.9 20:21 はてなブックマーク - 0.9 - 蜀犬 日に吠ゆ

世界の終わり

 「大きな物語」という話があって、それはおそらく「イリアス」や「マハーバーラタ」を嚆矢とする、世界の存亡を賭けた戦いのことをいうのだと思います。この発想自体はゾロアスター的世界観、善と悪の神が世界の覇権を巡り人間界で代理戦争を行うという考え方に基づいていると考えてもそれほど不思議ではないでしょう。

 ルネサンスからこっちには人文主義的な教養小説(ビルドゥングスロマン)が登場しました。

 で、ファンタジーの基礎をなす「指輪物語」はその「大きな物語」の典型でした。影横たわるモルドオルの王サウロンは、かつて世界を歌い上げた神エルを裏切った陣営のメンバーで、ミドルアースに混沌をもたらそうと怪物たちを魔法の力で操っていたのです。

 指輪のあとを継いだ物語たちの多くもまた、こうした「大きな物語」のあとを継ぎ、世界の危機や人類の滅亡をもくろむ悪を倒すことが求められることが多かったのです。

 ところが、日本ではそうした「大きな物語」が、奇妙な変化とともに発展しました。それが、無駄に挿入した一文、教養小説です。漫画やアニメは、その受け手の多くが子供であったために、いきなり重厚な世界観で圧倒するよりも、読者や視聴者が共感を得やすい少年少女がもつ内面の葛藤や身近な問題が大きくクローズアップされることになりました。その結果、転校生が大天使ミカエルだったり、世界を滅ぼそうとする魔王の正体が自分の父親だったり、人類の存亡が兄弟げんかの結末に左右されたりすることになってしまうわけです。

 それはそれで面白いと思う人もいるかもしれませんが、しかし地球を救うことがどうみても甲子園に出場するよりはるかに楽で身近な課題にしか見えないところに問題点があったと私は思います。

 地球を救ったりする話の多くが「内宇宙」の物語として扱われるという傾向も、こうしたところから生まれてきたのではないかと思います。そして、その結果が、エヴァンゲリオンによる「大きな物語」の崩壊に結びついてしまうのです。(わたしもこだわりますね。)シンジくんが、「逃げちゃダメだ」といいつつ逃げまくったり、気の持ちようで世界が救われたり救われなかったりするというエヴァンゲリオンのどうしようもない浅さ薄さは、日本人が積み重ねてきた物語を徹底的に馬鹿にする作業だったのではないでしょうか。

 そしてその後、世界を救う話はリアリティを失ってしまったのです。NARUTOの敵の目的が「世界征服」だと知れると「がっかり」だとか「ありきたり」とかいう感想が湧いて出てしまう時代になりました。

 そのことの是非はともかく、それを「大きな物語」そのものの終焉だととらえる人もいるので私はそうではないといっておきたかったのです。

魔王と勇者

 ドラゴンクエストは、そうした中にあって「ベタ」な物語の代表格でした。世界を滅ぼそうとする勢力と、精霊ルビスの加護のもとにそれを阻止する勢力の、永遠の争いがテーマとされた世界観。

 ただしそれはⅣにはあてはまりません。地獄の王エスタークは話の途中で復活を妨げられ、代わりに露坐リーを殺されたうらみから世界を滅ぼそうとするデスピサロの個人的な物語が世界を左右することになってしまいます。Ⅴではその変動なのかにも注目しつつ、ドラゴンクエスト、はじまるよ~!

世界の危機……

 侵略されるということは、不愉快きわまりない(侵略する方はさぞかしいい気分だろうが)。

 サクソンの侵略となれば、これはもう最悪だ。剣を振りまわし、錨をおろし、大きな船から毛むくじゃらの大男どもが海岸へ上陸してくるのだ。まさか上陸してくるなどと誰も知らぬので、奴らはアバロンの平和な土地をゆうゆうとやってくる。略奪はするわ、村は焼き払うわ……アーサー王と円卓の騎士たちが十分な兵を集めて応戦するまでは、やりたい放題だ。

 サクソンの侵略をくいとめるのも、容易なことじゃない。大きくて凶暴なサクソン人どもは恐ろしい戦士だし、あらゆる戦術を身につけている。何度か侵略されたあと、あまり勇敢でない騎士(たとえばモルドレッド)は、サクソンとの和解まで口にしはじめた。

 モルドレッドの和解案とは、英国の主要で広大な土地を奴らに与えて他の土地には侵攻しないという約束をとりつける、というものだった。

 その案はさほどばかげているとも思えず、実際サクソン侵略の第二波がやってくると、アーサー王も真剣に考えはじめた。彼はサクソンの隊長エントウィッスラに使者を送り、その和解案を提示した。が、エントウィッスラは使者の耳をそぎ落として送り返した。それが和解拒否のしるしであることは、明らかだった――しかも、粗暴なやり方で。

ドラゴン・ファンタジー4

はっ、しまった。ついテンションがあがってドラゴンファンタジーをやってしまった!