蜀犬 日に吠ゆ

2008-03-11

ソーサリー!

[][]シャムタンティ 第6日 20:08 はてなブックマーク - シャムタンティ 第6日 - 蜀犬 日に吠ゆ

シャンカー鉱山に死す の巻

 断固たる足取りで、君は道を歩き出す。旅は始まった!一七八

 ちなみに、BGMはPFMの『蘇る世界』。

ファンタジィにはプログレがよく似合う。

甦る世界(K2HD/紙ジャケット仕様)

甦る世界(K2HD/紙ジャケット仕様)

(嘘です。ただのマンティコアつながり)


 食事をけちってクラクラしつつも山を登ったが、洞窟の中で鬼に遭遇して喰われてしまいました。最初の戦いでですよ。こんな、こんなことあるのか…


 いつ果てるともしれない雨だれが岩を打ちつづけるリズムだけが作り出す絶対的な静寂の中で、炎が永劫の闇の色で不機嫌に燃えていた。それはあるとき高く立ちのぼり、無限の高さを誇る鍾乳洞の天井をめざすようにも見えたがまたあるときには大きく拡がって天地開闢よりたれ一人踏みのぼることのなかった蠱惑的に濡れた岩肌を舐めまわし、またあるときには小さく鋭く英雄的な謙虚さをもって内なる熱を誇示した。

 やがて炎は消え、無音のままでささやく声が響いた。

――終わったか。

――終わりではない、始まるのだ。

――いいかな、俺は、さきほど「すぐれた魔法使い(ソーサリィ)」は無尽蔵、無限、無意識、無関心、無体の「完全生命体」、即ち宇宙の有り様を示すたった一つの情念と一体だといった。それを、おまえは覚えているかな。おお、おまえは世界が平和になる「筈」であるという前提をもろくも崩し去ったが、果たしてそんな前提に価値があるのか、マンパンの大魔王よりも人間の方がすぐれているということは、永久に証明できないのだぜ。探求者であるおまえが謎の大魔王に惹かれることを責めるわけじゃあない、だが、なあ、おまえは大魔王と同じくらいに、枝の上のカラスのことだって何も知らないのだぜ。いいかな、俺は、世界を愛することをやめろというのではないさ。ただ、カーカバードの平和が、おまえを救ってくれることはないだろうと言いたいのだ。

――だが、幕は上がった。始まりがあるなら、終わりもなければ成るまい。

――おまえが終わりをもたらすと言うのなら、ぷふい!思い上がったものだな。ナザレのイエスがあれほど願っても、終わりは来なかったのだぜ。永遠というものがもしあるのならば、それは魂への断罪だ。それに気づかないから、命は新しく生まれる。

――新しい命は、可能性をもつ。

――どうかな。おまえはそれを見届ける勇気があるのか。

 やがて静寂を雷鳴がつんざき、虚空がすべてを支配した。