蜀犬 日に吠ゆ

2008-07-23

[][]神々のたそがれ~~P.コラム/尾崎義訳『北欧神話』岩波少年文庫 14:16 はてなブックマーク - 神々のたそがれ~~P.コラム/尾崎義訳『北欧神話』岩波少年文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 北欧神話はまとめて読んだことがなかったので、例によって子供向けの本を読む。

北欧神話 (岩波少年文庫)

北欧神話 (岩波少年文庫)

 神の都 アースガルド。威厳にみちたオージン、力自慢のトール、いたずら好きのローク、美しい首飾りとひきかえに夫を失った女神フレイヤなど、個性的な神々の活躍を描きます。『エッダ』に基づいて描かれた少年少女のための北欧神話。

●中学以上

P.コラム/尾崎義訳『北欧神話』岩波少年文庫

(たぶんロークはローキの誤植。)

 難しいといやですからね。

神々のたそがれ Ragnarok

 北欧の神々は、巨人族との闘いに敗れてみな殺されていってしまいますが、それは、神々自身の不正な行いによるものだとされています。巨人をだまして城壁を作らせたり、こびと(dwarf)の宝物を力附くで奪いとったりするたびに、神々は力を失い、巨人や魔女の呪いが、神々の土地アースガルドを覆ってゆきます。神々の長老オージンOdinは未来を見通すミーミルの井戸の水を飲み世界の破滅を知りますが、滅びの宿命に打ち克つことはできません。

 この辺りが、「やりたい放題」のギリシア神話とは違いますね。北欧神話は、だいたい神さまが、欲に目がくらんだり、よいことも悪いこともする神さまであるローキにそそのかされたりして神の威厳を傷つけるような振る舞いをすることに終始します。この設定はどこから来たのでしょうか。

 思うに、巨人が表現するのは北の「寒さ」なので、神々と人間の英雄たちであっても自然には勝てないという話なのではないかと思います。それが人格神の限界であり、またその滅びることが、人間世界の再生につながり、私たちの営みも永遠ではないけれど常に新しくなってつづいていくという世界観を生み出したのではないでしょうか。