蜀犬 日に吠ゆ

2008-10-04

[][]階級という病の国~~新井潤美『へそ曲がりの大英帝国』平凡社新書 はてなブックマーク - 階級という病の国~~新井潤美『へそ曲がりの大英帝国』平凡社新書 - 蜀犬 日に吠ゆ

へそ曲がりの大英帝国 (平凡社新書)

へそ曲がりの大英帝国 (平凡社新書)

 『サウンド=オブ=ミュージック』、軽演劇、シェイクスピア、モンティ=パイソン、カントリー・ハウスを通してイングランドの人々の文化を語る。

 話は筆者おとくいの階級意識へと流れてしまうので、「へそ曲がり」の分析や考察がもっとほしかったです。ヴィクトリア期より以前にはストレートに感情を表していた英国人は、謹厳な19世紀後半の中でユーモアを失わないためにへそ曲がりになった、のかと思わせる記述がありますがもっとそのものずばりを書いてほしいところで話がそれていってしまうのですよね。

 もう一つは、カントリー・ハウスへの「虚構の郷愁」についてももう少し分析があるとよかったです。エピソードは面白かったですけれども。

(視聴者参加番組が郊外の貴族の生活を再現するのですが、参加者たちは話す言葉の階級に応じた役割分担をするところが面白かった。召使いにされた大学生は洗濯だけの毎日に途中棄権するのですが、これは逆説的に民主主義を讃美する結果になります。)

 どんな作品をどんなふうに面白がるのか、またその面白がり方と階級との関係の部分は楽しく読めました。