蜀犬 日に吠ゆ

2009-01-12

[][][]魔女が空から降ってきた 15:39 はてなブックマーク - 魔女が空から降ってきた - 蜀犬 日に吠ゆ

 空から降ってきたんだと、思う。女の子は1階の屋根から僕の部屋をのぞき込んで、にっこり笑った。可愛い。6年生くらい?

 「誰?」

 質問には答えずに、女の子はベランダのガラス戸から入ってきた。

 ずいぶんと大きかった。僕の身長の何倍もある。

 「あんたは、庭。」気づけば僕は犬だった。


 もうひとり、かっこいい男が入ってきた。

 「人間界で修行だって?僕をおいていくなんてひどいじゃな~~い。」

 「なに、邪魔しに来たの?」

 「逆だよ、この大魔法使いロランドが手伝ってあげるのに」

 女の子はこれも無視して僕の左耳をむしり取った。絶叫してもがいても、彼女は顔色一つ変えなかった。

 「片方がピーンとしてて、もう片方が折れてるようにしたかったんだけど、失敗だわ。」

 窓から放り投げられた。背中を強くうった僕は庭に犬小屋があるのを見つけた。名前プレートまである。「チギレ」と書いてあった。

 台所からママの声がする。

「ナナちゃ~~ん、今へんな音がしなかったぁ?」「なんでもないわ、ママ。」


 見あげると、かっこいい男は、「わかったよ、じゃ、僕は隣の家に住むから」と、窓を飛びだしていった。


 女の子が殺伐としない状況にしてみました。すると周りが無残。これはたしか『西遊記』で、下生した天女に懸想していた神の一人が同じように天から落ちて妖怪となり、転生した天女をかどわかす話。