蜀犬 日に吠ゆ

2009-01-24

竜児女

[][][]斉天~~諸星大二郎『西遊妖猿伝』1 2 講談社 20:25 はてなブックマーク - 斉天~~諸星大二郎『西遊妖猿伝』1 2 講談社 - 蜀犬 日に吠ゆ

 斉天という言葉。それをどのように考えるのか。ジャンプ脳であれば天のいかなる神々よりも強いということになるのかも知れませんが、諸星先生はそれを、「民衆の恨み、怒り」であるとしました。ご都合主義な人権ゴロの常套句なのかどうか、完結まで目が離せません。ですからどうか完結してください。


 今春にはいよいよ西域編の単行本が出るようですが、それにあわせて既刊の大唐編が講談社から発行されました。ペーパーバック的な印象を与える、おそらくA5サイズ。

西遊妖猿伝 大唐篇(1) (KCデラックス モーニング)

西遊妖猿伝 大唐篇(1) (KCデラックス モーニング)

 悟空誕生から竜児女との出会いまでを記録した1巻。

西遊妖猿伝 大唐篇(2) (KCデラックス モーニング)

西遊妖猿伝 大唐篇(2) (KCデラックス モーニング)

 金角大王との因縁をめぐる2巻。


 前にもどこかでいったような気もしますが、孫悟空の強さは並ではないですね。剣を振るえば鎧ごと斬りますし、繋がれて引きずられても馬二頭を引き戻す(二馬力以上!)。跳躍力も2メートルは軽く超えます。地球を壊せる力をもちがちな最近の漫画シーンで、この絶妙な最強ぶりは諸星先生ならではです。


 竜児女はかあいそうですよね。なんにも悪くないのに、「女であること」によってハンディを負わされて、それを乗り越えるために自分の命を賭けなければなかったのですから。

 ただこれは、悟空が地煞から天罡になるように、法華経が「変成男子」というように、仏教のもつ男尊女卑思想がもたらす弊害なので諸星先生の語りになんらけちをつけるものではございません。むしろ竜児女が自分の思いをとげてハッピィエンドになるということは、ないのが普通なのですから。

 しかし、そう思うと、仏教は邪教ですよねえ(もちろんキリスト教やイスラームはそれ以上にでたらめですが。)。