蜀犬 日に吠ゆ

2009-03-31

[][]細かいことを突きつめてみる~~鈴木みそ『MASTERPIECE OF ALL NIGHT LIVE』3 4 エンターブレイン 21:58 はてなブックマーク - 細かいことを突きつめてみる~~鈴木みそ『MASTERPIECE OF ALL NIGHT LIVE』3 4 エンターブレイン - 蜀犬 日に吠ゆ

 オールナイトライブの選集も3巻4巻が発売されていました。

マスターピース・オブ・オールナイトライブ3 世相問答 (BEAM COMIX)

マスターピース・オブ・オールナイトライブ3 世相問答 (BEAM COMIX)

マスターピース・オブ・オールナイトライブ4 遊興三昧 (BEAM COMIX)

マスターピース・オブ・オールナイトライブ4 遊興三昧 (BEAM COMIX)

 単行本はとびとびでしか買っていなかった(もう捨ててしまったかもしれません、収納力の限界で)のですが、ここいらへんは覚えがありますねえ。

 田舎に帰って萌え絵を研究していたら米袋にイラストを頼まれる*1とか、コミックビームが動画サイトを公開する*2とか、官公庁のパンフレットに登場する適当な「説明漫画キャラ」*3、インターネットの検索ヒット数から世間の常識を探るゲームであそぶ*4など、時代を先取りしすぎのネタが目白押し。*5

 ファミ通人脈でありながら結構漫画マニアからも冷遇されているのかなあ、と思いました。「ゲーム専門学校の闇」だって、知る人ぞ知る的な扱いだったのが有名サイトで紹介された感じでしたからね、私の見た様子では。ここまで先進的でありながら盛り上がらないというのは逆に不思議。絵柄が受けないのか、媒体が地味なのか、キャッチコピーを使わずストレートな物言いだからなのか。母里としては三番目がいちばんありそうな気がします。


[][]金儲けに踊りたい人びと~~鈴木みそ『銭』7 エンターブレイン 21:30 はてなブックマーク - 金儲けに踊りたい人びと~~鈴木みそ『銭』7 エンターブレイン - 蜀犬 日に吠ゆ

 『銭』完結。なんとなくいい話になったようでもあり、最終回でひっくり返されたようでもあり。

銭 七巻 (BEAM COMIX)

銭 七巻 (BEAM COMIX)

 葬式編結末、とホスト編。なんのこだわりもないとされるチョキンと、登場回で臨死の理由があかされたマンビにたいして謎の存在であったジェニーのホスト狂いが明かされます。しかしだったらなぜジェニーは病院の地縛霊になっていたのか、物語のご都合主義ではないのか? という疑問に応える、「ご都合主義です」という最終回。エピローグも、希望以外に何もないというはなしでそれがリアルといえばリアル。


 何かをするためにお金が必要だったはずなのに、お金があれば何かができるような気がしてくる、ちんげ教の正典とするなら、あの最終回でよかったのかは、疑問です。別に幽霊が実在するので問題はなかったでしょう。毎回絵柄がコロコロ変わるというのも現在の漫画文法的には普通のことですし。

 しかし、こんなクソッタレの末法の世であっても、わたしたちは生きていかなければならないのだし、そのためにお金の果たす役割というのは大きいのですから、「夢」や「国家資格」と同じくらいに「銭」のありかたを真剣に考えるという必要はあるのでしょうね。


[][]絶対に負けられない戦いがそこにはある 20:21 はてなブックマーク - 絶対に負けられない戦いがそこにはある - 蜀犬 日に吠ゆ

 すでに旧聞に属する事柄ですが、サッカー日本代表がこないだバーレーンに勝ちました。

 試合の日の朝、新聞にテレビ放映の広告だったと記憶していますが、なんかサッカー選手の写真が載せてありまして、そこに「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」というキャッチィなコピィが添えられていました。その内容に突っ込むのもいまさら野暮天ですなあ、と思いつつ、こういう意味不明のフレーズにしては大分寿命がながい、ということでいまごろこれを考えた人はガッツポーズをカマしているのではないでしょうか。


 2004年掲載(2005年発行)の、『森博嗣の浮遊研究室』ではこのフレーズの変奏がいくつか「今週の一言」に収められていまして、このころにはすでにギャグフレーズであったことがうかがえます。もちろん、聞けば涙する、亢奮にうちふるえるというひとも沢山いるとは思いますが、私の実感からすれば、「じゃあ負けてもいいときってあるのか?」にはじまるツッコミをかます人が8割なのではないでしょうか。


 せっかくだから(?)、森先生のギャグを書き写しておきます。一つ一つがどうというよりも、毎週の連載の冒頭にこれをかかげる森先生のスカした態度がユーモラス。

 以下抜き書きの羅列。発表号数は母里が書き加えました。

(vol.141)

今週の一言

絶対にやめられない潮時がそこにはある。

(vol.142)

今週の一言

絶対につながらない相談窓口がそこにはある。

(vol.143)

今週の一言

絶対に負けられない試合に負け続けるとどうなるのかという疑問がそこにはある。

森博嗣『森博嗣の浮遊研究室5 望郷編』メディアファクトリー

 この巻しか買ってませんので、4巻以前にあったかどうかは知らずにいます。

*1:「たそがれ」2001年12月

*2:「ビームTV」1999年9月

*3:「なんでもマン参上」2001年7月

*4:「インターネットバトル」1998年7月

*5:紹介順に、「あきたこまち」(というか萌えキャラ全般)、「動画サイト」、「ゆるキャラ」、「ぐぐれ!」などでいまや常識となりつつあります。