蜀犬 日に吠ゆ

2009-06-17

[][]扉を開けて、その先は?~~鎌田浩毅『地学のツボ』ちくまプリマー新書 20:15 はてなブックマーク - 扉を開けて、その先は?~~鎌田浩毅『地学のツボ』ちくまプリマー新書 - 蜀犬 日に吠ゆ

 京都大学の教養科目「地球科学入門」の講義をベースにした地学案内。

地学のツボ―地球と宇宙の不思議をさぐる (ちくまプリマー新書)

地学のツボ―地球と宇宙の不思議をさぐる (ちくまプリマー新書)

 先日の『負けない』につづき、またまた納得のいかないちくまプリマー新書。今回は、内容はよかったのですが、不満が残りました。

 それはすなわち、本書の内容は、私がだいたい雑学的に知っていたことが多かったからです。大気の大循環やプレートテクトニクス理論は高校の地理でも触れる内容ですし、太陽系や月の出来方の話は学研漫画の知識で十分な感じ。

 しかし私はそれを体系的な「地学」として理解したいのに、そういう願いは叶えられなかったのが不満なのです。それで思ったのは、こういう入門的な本には、巻末に「もっと知りたい人への読書案内」的なリストをつけるべきではないでしょうか。事実そういう本もあって、別にリストの本を読破したりはしませんけれども、地学の専門の本って、地の本なら地波のグラフがでてきたり、天体の本ならスペクトルがどうのとかハードルがいきなり高くなるんですよね。そういう部分への橋渡し的な本があるのかもしれませんが、その位の本を知りたいのです。こういう新書を読んで、「もうちょっと先」へ生きたい人に冷たいなあ、というのが今回の感想。


[][][][]公冶長第五を読む(その9) 19:27 はてなブックマーク - 公冶長第五を読む(その9) - 蜀犬 日に吠ゆ

吾れは未だ剛なる者を見ず

 公冶長第五(93~119)

102 子曰。吾未見剛者。或対曰申棖。子曰。棖也慾。焉得剛。

(訓)子曰く、吾れは未だ剛なる者を見ず。或るひと対えて曰く、申棖(しんとう)あり。子曰く、棖や慾あり、焉んぞ剛なるを得ん。

(新)子曰く、しんの強い人は居ないものだな。或るひと対えて曰く、申棖はどうです。子曰く、棖はまだ慾が抜けきらぬ。しんの強いはずはない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 「剛」というのは、力が強いことや争いに勝つ力ではありません*1。人の徳のことです。

329 子曰。剛毅木訥。近仁。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 慾が深いということ、ましてそれが人に知られるほどに甚だしいということは、それによって他人にいいように操られてしまう危険を持っています。誘惑にまけるようでは君子とはいえませんよね。

*1:源義家が奥州に攻め込んだときの剛臆座は単純に戦闘力でしょうけど。