蜀犬 日に吠ゆ

2009-06-20

[][]感動の沸点が低いわたくし~~こうの史代『この世界の片隅に』上中下 双葉社 20:47 はてなブックマーク - 感動の沸点が低いわたくし~~こうの史代『この世界の片隅に』上中下 双葉社 - 蜀犬 日に吠ゆ

 下巻が出たら読もうと思っていましたが、なぜか本屋に置いてなくてようよう入手。

 上巻は、9年~19年7月。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 中巻は、19年7月~20年4月。

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

 下巻は、20年4月~21年1月。

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

 こうの先生の場合、大傑作だの名作だのというのはなくて佳作ぞろいです。『この世界の片隅に』もそうですね。しかし、傑作名作がうんざりするほどあふれるなかで、佳作を作り続けるこうの先生はすばらしい。

  双葉社は、こういう漫画をきちんと育てている点で立派です。

 ものすごく完成度の高い作品ではありますが、私が不満を覚えたのは完成度が高すぎると言うこと。

 失礼な言い方ですが、『この世界の片隅に』は読んだ人間の感動がものすごく作者にコントロールされているのではないかという風に感じました。読後にはしみじみ思いましたが、泣くほどではありませんでした。


 「うちはこんなん納得できん!」「この国から正義が飛び去ってゆく」というクライマックスのセリフも、理知的には理解できます。主人公すずの人生だけではなくて鬼いちゃんやらリンちゃんの人生にも共感と同情を覚えます。しかし、なんというか、みんな同じように感じているのだろうなあ、と感じるのです。

 「私の人生と響き合う物語ではないかもしれない」と感じてしまうのです。私もこうの先生と同じで戦争体験はないものの、戦争と向かい合わなければならない感をもっていますが、何とはなしに違います。

 「桜の国 夕凪の町」のときは、こんなことなかったのですけれども。

 そしてけなしているつもりでもなくて、「桜の国」も映画化してこうの先生大御所的ポジションについてもいいはずなのに、社会現象を引き起こさないのが不思議です、今回の『この世界の片隅で』。文科省も、ほんとう何をしているのでしょう。こうの先生を大統領に!


 現時点における私の読んだこうの作品ランキング。

  1.  桜の国 夕凪の町
  2.  ぴっぴら帳
  3.  さんさん録
  4.  この世界の片隅に
  5.  花の街だより
  6.  こっこさん
  7.  長い道
  8.  わしズムに載ったなんかへんな読み切り(立ち読み)

 すべての作品のレベルが高いことは、言うまでもありませんが、あとでみる人が勘違いするかもしれませんので強調しておきます。すべての作品のレベルが高い!わしズムに載った変な読み切りも、チラシの裏に書いた漫画ということでものすごい画力を披露しています!