蜀犬 日に吠ゆ

2009-07-31

[][]隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』下 新潮文庫 23:06 はてなブックマーク - 隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』下 新潮文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 読了。

死ぬことと見つけたり(下) (新潮文庫)

死ぬことと見つけたり(下) (新潮文庫)

 話の内容はすっかり忘れて、初読の感想は「語るべきほどのものでない」だったのですが、二回目読んでみて、いろいろ新しく思うことがありました。年を取ったものです。

 初読の時の感想は、ひとえに「未完」だったためです。作者死亡により。

 ハートの王国読書術しか知らなかった当時のわたしには、未完に対する違和感が、相当強かったのでしょうね。風の又三郎にしても、欠落がはげしく気になります。


  • 第八話(敵は松山主水四世)
    • 心の一方
      • 松山主水登場。不動金縛り「シェーツ」!
    • 小城
      • 松山主水の道場破り。居縮(いすく)めておいて急所を狙う。
        • 隆慶一郎先生は初代引田天功と付きあいがあったそうで。なんで完了形?
    • 徴発
      • 杢之助が心の一方を破る。
  • 第九話(敵は高木彦右衛門)
    • かれうた船
      • 鎖国令を破ってかれうた船(ポルトガル船)が長崎来航。生き証人をのぞく船員が惨殺される。
    • あんにょう
      • あんにょう(傾城)付きの禿(かむろ)、梶が、艶福家の高木彦右衛門に水揚げされることになる。
      • お梶は彦右衛門が実の父ではないかと疑う。
        • インセストタブー
    • 町年寄
      • 彦右衛門は下衆なので死んで当然であることが明かされる。
      • 荒っぽい宮刑ですね。
    • 深堀
      • 杢之助の双子は、妹の方が勝ち気で剣才がある。
    • 長崎喧か*1
      • 深堀鍋島家の藩士と高木の中間が喧嘩。深堀衆が高木家に出撃。
  • 第十話(敵は嵐)
    • 大阪喧嘩
      • 大阪で勤める杢之助の弟権右衛門は同輩の溝田市郎左衛門に仕掛けられて抜刀。
    • 裁定
      • 勝茂の不問に納得いかぬ溝田方では打ち返しを準備。斎藤家は合戦を準備。双方矛を収める。
      • 死んだ市郎左衛門の父溝田市兵衛は斎藤家、中野求馬、勝茂を怨む。
    • 海難
      • 市兵衛が梶に細工して船が遭難。勝茂と萬右衛門は船酔い。
  • 第十一話(敵は光茂)
    • 静香
      • 杢之助の双子、妹の静香は剣の道に頭角を現す。その許嫁中野数馬は美貌の秀才に育っていた。
    • 光茂
      • 勝茂公の跡取り光茂は龍造寺系の家臣及び鍋島三支藩を圧迫して藩主の権力拡大を図る。
    • 太刀献上
      • 八朔に蓮池藩が将軍に太刀を献上したことを光茂が咎め、蓮池藩は自立を画策するに至る。
    • 吉原喧嘩
      • 杢之助と求馬は光茂を吉原に誘い、出奔した蓮池藩士の仇討ちを見届ける。
  • 第十二話(敵は神代直長ではなく光茂)
    • 葬儀
      • 萬右衛門の大猿が死ぬ。
    • 大僉議(だいせんぎ)
      • 三支藩と四親族が光秀押し込めを計画。
    • 曲射
      • 大僉議を杢之助が阻止。
  • 第十三話(敵は元茂ではなく光茂)
    • 一つの死
      • 家光死去。殉死しなかった知恵伊豆の暴走が始まる。
      • 小城鍋島の元茂に寺社奉行奉職のうわさが立つ。光茂は断固反対。
    • 死装束
    • 早船
      • 杢之助と萬右衛門が江戸にむかう。
    • 元茂
      • 杢之助が知恵伊豆の命を狙う。
        • 杢之助がはしゃぎすぎだと思います。「だーん」とか言う人ではなかったのに。
      • 元茂が寺社奉行職を辞退する。
  • 第十四話(敵は忍びの勘助)
    • 婚礼
      • 斎藤静香は『真野道場の鬼姫』の異名をとる剣の達人。
        • 武士道セブンティーン。突如の青春群像。
    • 果し状
      • 静香は石井松之進から決闘を申し込まれる。日取りは婚礼の前日。
      • 松之進は剣では静香に劣るものの、奸智では上を行く。詳しい事情を知らない萬右衛門は毒に気をつけろと忠告。
    • 忍びの者
      • 石井家の中間勘助はもと忍び。毒の鏢を準備。
      • 萬右衛門が勘助を押さえる。
    • 果合い
      • 静香が勝利する。
  • 第十五話(松平伊豆守、立つ)
      • 勝茂が歳を取る。
    • 出府
      • 勝茂が参勤交代で江戸に出る。杢之助と萬右衛門も殉死のため佐賀を出奔し、江戸に至る。
    • 振袖火事
      • 江戸で大火。
    • 吉原焼亡
      • 火事は、江戸の区画整理のために知恵伊豆が仕組んだと知れる。
  • 未完。

[][][][]雍也第六を読む(その17) 21:44 はてなブックマーク - 雍也第六を読む(その17) - 蜀犬 日に吠ゆ

斉、一変すれば

 雍也第六(120~147)

142 子曰。斉一変。至於魯。魯一変、至於道。

(訓)子曰く、斉、一変すれば魯に至り、魯、一変すれば道に至らん。

(新)子曰く、隣国の斉が脱皮すれば、昔の魯のような文化国家になれようし、我が国の魯が脱皮すれば、(本国の周がそうであったような)道義国家になるのも不可能ではないのだが。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 斉も魯も、当時で言えばどんぐりの背比べ、魯に孔子がいれば少し前の斉には晏平仲(晏子)がおり、孔子は就職を騙されたせいか、斉国の策略好きを評価しませんでしたが、魯公はまんまとひっかかり結局孔子は魯を出なければならなくなったくらいです。

 普通に考えれば、魯公もしくは重臣をおだてつつ道に従うように進めたものであると解釈できましょうが、あんまりそういう見方はないようです。

*1:かはくちへんに花