蜀犬 日に吠ゆ

2009-09-30

すりこみ

[][]彼我の差~~『たいした問題じゃないが』岩波文庫 23:24 はてなブックマーク - 彼我の差~~『たいした問題じゃないが』岩波文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 二十世紀初頭を飾ったコラムの選集。本当にたいした問題じゃなかったので驚きました。

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)

 あーあと、A.A.ミルンは、きちんと「イギリスのコラムニスト」と覚え直すのですが、なぜかいつのまにか「ドイツの童話作家」と間違えた知識で更新されてしまいます。職業は兎も角、どうしてドイツなどと勘違いして、しかも濃厚にすり込まれてしまったのでしょう。

 日本人とはとらえ方が違うものだと感心する部分もありました。

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[][][][]子罕第九を読む(その4) 19:52 はてなブックマーク - 子罕第九を読む(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

子絶四

 子罕第九(206~235)

209 子絶四。毋意。毋必。毋固。毋我。

(訓)子、四を絶つ。意するなく、必するなく、固なるなく、我なるなし。

(新)孔子は四つの勿(なか)れを守った。意地にならぬ、執念しない、固くなにならぬ、我を張らぬ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-29

[][][][]子罕第九を読む(その3) 22:14 はてなブックマーク - 子罕第九を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

麻冕は礼なり

 子罕第九(206~235)

208 子曰。麻冕礼也。今也純。倹。吾従衆。拝下礼也。今拝乎上。泰也。雖違衆。吾従下。

(訓)子曰く、麻冕(まべん)は礼なり。今や純(くろ)し、倹なり。吾は衆に従わん。下(しも)に拝するは礼なり。今や上(かみ)に拝す、泰なり。衆に違うと雖も、吾は下にてするに従わん。

(新)子曰く、白い麻の冠を用いるのは古礼であるが、この頃は黒い冠を用いるようになった。これは倹約であるから、私は流行に従いたいと思う。君主に対して堂の下で拝するのは古礼であるが、近頃は堂に上って拝するようになった。これは傲慢に近いから、流行おくれであっても、私は堂下で拝したい。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-28

リングの下

[][][][]子罕第九を読む(その2) 21:11 はてなブックマーク - 子罕第九を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

吾は御を執るものなり。

 子罕第九(206~235)

207 達巷党人曰。大哉孔子。博学而無所成名。子聞之。謂門弟子曰。吾何執。執御乎。執射乎。吾執御矣。

(訓)達巷(たっこう)の党人曰く、大なるかな孔子。博学にして名を成すところなし、と。子これを聞き、門弟子に謂いて曰く、吾、何れを執らん。御を執らんか、射を執らんか。吾は御を執るものなり。

(新)同町内の達巷に住んでいる人が言った。孔先生は偉大だ。あれだけ博学で、しかも一向に有名にならぬ点が偉いのだ。孔子がそれを聞いて門人らに向って言った。戦車に乗って猟に出る時に、射手になるか、御者になるかと聞かれたら、私は縁の下の力持ちの御者の方になるたちなのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-27

テリーマンの説は

[][][][]子罕第九を読む(その1) 20:20 はてなブックマーク - 子罕第九を読む(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

子、罕に利を言う

 子罕第九(206~235)

206 子罕言利。与命。与仁。

(訓)子、罕(まれ)に利を言う。命と与にし、仁と与にす。

(新)孔子が利益を話題にすることは極めて稀であった。その時でも、必ず天命に関連し、または仁の道に関連する場合にかぎられた。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-26

[][][][]泰伯第八を読む(その13) 19:50 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その13) - 蜀犬 日に吠ゆ

禹は吾れ間然するなし

 泰伯第八(185~205)

205 子曰。禹吾無間然矣。菲飲食。而致孝乎鬼神。悪衣服。而致美乎黻冕。卑宮室。而尽力乎溝洫。禹吾無間然矣。

(訓)子曰く、禹は吾れ間然するなし。飲食を菲(うす)くして、孝を鬼神に致し、衣服を悪(あし)くして、美を黻冕(ふつべん)に致す。宮室を卑(ひく)くして、力を溝洫(こうきょく)に尽す。禹は吾れ間然するなし。

(新)子曰く、夏の禹には文句のつけようがない。自分の食事は粗末にして、先祖の祭は盛大にした。平壌の衣服には見栄をはらぬが、朝廷における百官の礼服を美しくするために金をかけた。自分の宮室はみすぼらしいが、用水路の工事には労力を惜しまなかった。こういう禹王には文句のつけようがない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-25

[][][][]泰伯第八を読む(その12) 21:29 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

才難し

 泰伯第八(185~205)

204 舜有臣五人。而天下治。武王曰。予有乱臣十人。孔子曰。才難。不其然乎。唐虞之際。於斯為盛。有婦人焉。九人而已。三分天下有其二。以服事殷。周之徳。其可謂至徳也已矣。

(訓)舜に臣五人あり、而して天下治まる。武王曰く、予に乱臣十人あり、と。孔子曰く、才難しとは、其れ然らずや。唐虞の際、斯に於いて盛んとなす。婦人あり、九人のみ。天下を三分して其の二を有(たも)ち、以て殷に服事す。周の徳は、其れ至徳と謂うべきのみ。

(新)舜は五人の臣下を用いて天下を治めた。周の武王は、予(われ)に乱臣(よきけらい)、十人あり、と言った。孔子曰く、人材は得難い、といわれるが全くその通りだ。唐堯、虞舜の際から以後は、この時こそ全盛を極めた。十人のうち、一人は婦人の内助の功であるから、政治家は九人だけであった。天下の三分の二を保有しながら、なお殷の主権を認めて服従していた。だから周の徳義は最高であったと言ってよい。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-24

[][]かたくなになる心~~林達夫『歴史の暮方 共産主義的人間』中公クラシックス 19:45 はてなブックマーク - かたくなになる心~~林達夫『歴史の暮方 共産主義的人間』中公クラシックス - 蜀犬 日に吠ゆ

 高等遊民はたまに大衆との距離に愕然とする。

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[][][][]泰伯第八を読む(その11) 20:19 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その11) - 蜀犬 日に吠ゆ

大なるかな、堯の君たるや

 泰伯第八(185~205)

203 子曰。大哉。堯之為君也。巍巍乎。唯天為大。唯堯則之。蕩蕩乎。民無能名焉。巍巍乎。其有成功也。煥乎。其有文章。

(訓)子曰く、大なるかな、堯の君たるや。巍巍たるかな、唯だ天を大なりと為し、唯だ堯のみこれに則(のっと)る。蕩蕩たるかな。民能くこれに名づくるなし。巍巍たるかな、其の成功あるや。煥として、其れ文章あり。

(新)子曰く、偉大なのは堯の君主としてのあり方だ。およそ崇高なものの中で天ほど偉大なものはないが、ただ堯だけがそれを手本にすることができた。あまりに得が広すぎて、人民は形容の言葉を知らぬ。だかrこそ天にも届くほど高い成功を収め、目が眩むほどきらびやかな文化を残したのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-23

[][]かゆの木(『枕草子』) 16:55 はてなブックマーク - かゆの木(『枕草子』) - 蜀犬 日に吠ゆ

 十五夜のボウジボウウチ(ワラデッポ)が話題になったときの関連で。かゆの木。

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[][][][]泰伯第八を読む(その10) 21:21 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その10) - 蜀犬 日に吠ゆ

舜禹の天下を有つや

 泰伯第八(185~205)

201 子曰。巍巍乎。舜禹之有天下也。而不与焉。

(訓)子曰く、巍巍たるかな、舜、禹の天下を有(たも)つや。而してこれに与からず。

(新)子曰く、崇高といえば、舜や禹の天下を治めるやり方だ。少しも天下を治めているように見えぬ所が偉いのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-21

[][][][]泰伯第八を読む(その9) 19:23 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その9) - 蜀犬 日に吠ゆ

狂にして直からず

 泰伯第八(185~205)

200 子曰。狂而不直。侗而不愿。悾悾而不信。吾不知之矣。

(訓)子曰く、狂にして直からず、侗(おろか)にして愿(つつしみ)あらず、悾悾(こうこう)として信ならずんば、吾れを知らざるなり。

(新)子曰く、自信過剰の上に正直さを欠き、田舎者でありながら素朴さがなく、真面目そうに見えてその場かぎりの人間は、私も言いようを知らない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-20

なんでひとりに

[][][]コナン・ドイル 延原謙訳『ドイル傑作集』3 恐怖編 新潮文庫 15:41 はてなブックマーク - コナン・ドイル 延原謙訳『ドイル傑作集』3 恐怖編 新潮文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 恐怖ものというジャンルは、すこしニガテ(S-N)。読むと怖くて眠れなくなる、とかいうのではなくて単純に何が怖いのか分かりません。人が死んだり、血しぶきが飛び散ったり(splatter)するのは読むのがつらいのですが、それは恐怖ではなくて嫌悪感でしょう。それと恐怖は同じだと言われるとなんともいえませんが。

 ドイル先生の「恐怖もの」は、冒険ものでもあるので、そういう点から読めば面白い。こういうアクション風のなかに恐怖シーンが混じっているのは好きです。「どうしてそこでひとりになるの!」とか、「いっぺん、警察呼ぼうよ!」とかいうたぐいの。

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[][][][]泰伯第八を読む(その8) 21:23 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その8) - 蜀犬 日に吠ゆ

三年学んで

 泰伯第八(185~205)

196 子曰。三年学。不至於穀。不易得也。

(訓)子曰く、三年学んで、穀に至らざるは、得やすからざるなり。

(新)子曰く、三年学問を続けても、俸給にありつきたいと思わぬのは、奇特な人間というべきだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-19

[][][][]泰伯第八を読む(その7) 21:29 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

如し周公の才の美あるも

 泰伯第八(185~205)

195 子曰。如有周公之才之美。使驕且吝。其余不足観也已。

(訓)子曰く、如(も)し周公の才の美あるも、驕り且つ吝(やぶさ)かならしめば、其の余は見るに足らざるなり。

(新)子曰く、如し才能の点では周公に比べられるような優秀な人でも、驕慢に加えて吝嗇であったなら、凡ては帳消しにされて見るにたえない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-18

[][][][]泰伯第八を読む(その6) 20:22 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

民は之に由らしむべく

 泰伯第八(185~205)

193 子曰。民可使由之。不可使知之。

(訓)子曰く、民は之に由らしむべく、之を知らしむべからず。

(新)子曰く、大衆からは、その政治に対する信頼を贏(か)ちえることはできるが、そのひとりひとりに政治の内容を知ってもらうことはむつかしい。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-17

[][][][]泰伯第八を読む(その5) 20:57 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その5) - 蜀犬 日に吠ゆ

詩に興り、礼に立ち、学に成る

 泰伯第八(185~205)

192 子曰。興於詩。立於礼。成於楽。 

(訓)子曰く、詩に興り、礼に立ち、学に成る。

(新)子曰く、詩の教育で学問が始まり、礼の教育で一人前になり、音楽の教育で人格が完成される。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-16

[][]藤原浩『宮沢賢治とサハリン』ユーラシアブックレット 東洋書店 23:34 はてなブックマーク - 藤原浩『宮沢賢治とサハリン』ユーラシアブックレット 東洋書店 - 蜀犬 日に吠ゆ

 妹としは大正11年(1922)11月に病没。翌年7~8月、賢治は花巻農学校の生徒の就職斡旋を依頼するため、樺太の王子製紙細越氏を訪ねます。旅程は、七月三十一日発。花巻~青森、青函連絡船、函館~稚内、稚泊連絡船、大泊~栄浜。栄浜に八月四日到着。花巻へは八月十一日帰還。

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[][][][]泰伯第八を読む(その4) 20:21 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

能を以て不能に問い

 泰伯第八(185~205)

189 曾子曰。以能問於不能。以多問於寡。有若無。実若虚。犯而不校。昔者吾友。嘗従事於斯矣。

(訓)曾子曰く、能を以て不能に問い、多きを以て寡(すくな)きに問う。有れども無きが若(ごと)く、実てるも虚しきが若し。犯さるるも校せず。昔は吾が友、嘗て斯に従事したりき。

(新)曾子曰く、自分でできると思っても、誰彼となく忠告を聞いてまわり、自分が知っていると思っても、知りそうもない人に意見を尋ねる。才能があっても匿して外に現わさず、知識が充実しても謙遜して、空虚なものとちがわない。喧嘩を吹きかけられても、取りあわない。私の若い頃、友達と一しょにこういう理想をかかげて修養に励んだものだったが、その昔が懐かしい。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-15

[][][][]泰伯第八を読む(その3) 20:21 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

 うっかり消してしまいました。引用のみ再入力。

曾子疾いあり その一

 泰伯第八(185~205)

187 曾子有疾。召門弟子曰。啓予足。啓予手。詩云。戦戦兢兢。如臨深淵。如履薄冰。而今而後。吾知免夫小子。

(訓)曾子、疾(やま)いあり。門弟子を召して曰く、予が足を啓け、予が手を啓け。詩に云う、戦戦兢兢として、深き淵に臨むが如く、薄き冰を履(ふ)む如くせよ、とあり。而今而後、吾れ免れしを知るかな、小子。

(新)曾子が危篤に陥った。門人たちを呼び集めて言った。私の足のまわりを見てくれ、手のまわりを検(しら)べてくれ。詩に、身体を大切にするには、いつもびくびくして、深い淵にのぞきこみ、薄い冰の上をわたる時のようにせよ、とある。今日という今日で、私は孝行の任務から解放されたぞよ。さらば各々方。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-14

[][][][]泰伯第八を読む(その2) 20:56 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

恭にして礼なければ

 泰伯第八(185~205)

186 子曰。恭而無礼則労。慎而無礼則葸。勇而無礼則乱。直而無礼則絞。君子篤於親。則民興於仁。故旧不遺。則民不偸。

(訓)子曰く、恭にして礼なければ労す。慎んで礼なければ葸(おそ)る。勇にして礼なければ乱る。直にして礼なければ絞(せま)し。君子、親に篤くすれば、民、仁に興る。故旧遺(わす)れざれば、民、偸(うす)からず。

(新)子曰く、敬う心があっても礼の約束を知らなければ無駄骨折りに陥る。謹直者が礼を知らなければいじけてしまう。勇気があって礼を知らなければはた迷惑を惹きおこす。正直者が礼を知らなければ刻薄になる。上に立つ者が親族に人情厚くして見せれば、一般の人民までが仁の道に志すようになり、昔からの交際を忘れずに続けるようだと、民間の人気も自然よくなるものだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-13

[][][][]五味康祐『柳生武芸帳』上 文春文庫(その3) 19:21 はてなブックマーク - 五味康祐『柳生武芸帳』上 文春文庫(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

 いまも考えていますが、誠玄の死んだ理由がわかりません。文系だからなのか。

柳生武芸帳 上 (文春文庫)

柳生武芸帳 上 (文春文庫)

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2009-09-12

[][][]オールド・ワールドの諺 23:34 はてなブックマーク - オールド・ワールドの諺 - 蜀犬 日に吠ゆ

 これも謎。オールド・ワールドの諺。

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[][][]陋巷に在り 20:38 はてなブックマーク - 陋巷に在り - 蜀犬 日に吠ゆ

 キーワード化したいのですが、いったいこれはキーワードなのか、キーワードだとしていったいどういうワードなのかがわかりません。むしろフレーバのたぐいであるような気もします、ので、とりあえずここに。

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[][][][]泰伯第八を読む(その1) 20:38 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

泰伯は其れ至徳

 泰伯第八(185~205)

185 子曰。泰伯其可謂至徳也已矣。三以天下譲。民無得而称焉。

(訓)子曰く、泰伯は其れ至徳と謂うべきのみ。三たび天下を以て譲り、民、得て称するなし。

(新)子曰く、周の泰伯は最高の徳を身につけた方というべきだ。三たび天下を弟の季歴(きれき)に譲ったのだが、その譲りかたが如何にも自然に見えたので、人民はついその徳を頌(たた)えることを知らないでしまった。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-11

[][][][]述而第七を読む(その25) 22:36 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その25) - 蜀犬 日に吠ゆ

君子は坦として蕩蕩たり

 述而第七(148~184)

183 子曰。君子坦蕩蕩。小人長戚戚。

(訓)子曰く、君子は坦として蕩蕩たり、小人は長く悵として戚戚たり。

(新)子曰く、諸君は無欲でのんびりしていてもらいたいものだ。欲求不満でくよくよしてほしくない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-10

かってに改蔵

[][]読んでもらう文章論~~三島由紀夫『三島由紀夫レター教室』ちくま文庫 22:51 はてなブックマーク - 読んでもらう文章論~~三島由紀夫『三島由紀夫レター教室』ちくま文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 三島由起夫の手紙論はブログ論に読みかえることができるでしょうか。

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[][]世間は狭い、ハーヴァード~~カート・ヴォネガット『ジェイルバード』ハヤカワ文庫 21:07 はてなブックマーク - 世間は狭い、ハーヴァード~~カート・ヴォネガット『ジェイルバード』ハヤカワ文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 順番を気にしないことにしたので今度はこの作品。

 主人公ウォルターが刑期を終えて出所し、勾留され、また刑務所に入るまでの話。

ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630))

ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630))

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[][][][]述而第七を読む(その24) 22:36 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その24) - 蜀犬 日に吠ゆ

其の不遜よりは

 述而第七(148~184)

182 子曰。奢則不孫。倹則固。与其不孫也。寧固。

(訓)子曰く、奢なれば不遜、倹なれば固し。其の不遜よりは寧ろ固かれ。

(新)子曰く、奢侈は傲慢に通じ、倹約は頑固に通ずる。傲慢であるよりは、頑固の方がまだましだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-08

[][][][]五味康祐『柳生武芸帳』上 文春文庫(その2) 19:21 はてなブックマーク - 五味康祐『柳生武芸帳』上 文春文庫(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

 ようよう読み終えました。読めば読むほどわけがわからなくなります。

柳生武芸帳 上 (文春文庫)

柳生武芸帳 上 (文春文庫)

 時事ですが、太陽パクパクは柳生兵庫介がやっていました。→ 神気

2009-09-07

[][][][]述而第七を読む(その23) 23:48 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その23) - 蜀犬 日に吠ゆ

丘の禱るや久し

 述而第七(148~184)

181 子疾病。子路請禱。子曰。有諸。子路対曰。有之。誄曰。禱爾上下神祇。子曰。丘之禱久矣。

(訓)子、疾(やま)い病(へい)す。子路、禱(いの)らんと請う。子曰く、これありや。子路、対えて曰く、これあり。誄(るい)に曰う、上下の神祇に禱爾す、と。子曰く、丘の禱るや久し。

(新)孔子が病気にかかって重くなった。子路が祈禱を行いたい、と願った。子曰く、何か先例があるかね。子路、対えて曰く、ありますとも。古い誄の篇に、上下の神祇に禱る、と見えています。子曰く、そういう意味でならば、私は自分でずっと前から禱っているのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-06

[][][][]述而第七を読む(その22) 20:59 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その22) - 蜀犬 日に吠ゆ

為して厭わず、人に誨えて倦まざる

 述而第七(148~184)

180 子曰。若聖与仁。則吾豈敢。抑為不厭。誨人不倦。則可謂云爾已矣。公西華曰。正唯。弟子不能学也。

(訓)子曰く、聖と仁との若きは、吾れ豈に敢てせんや。抑もこれを為(まね)して厭わず、人に誨えて倦まざるは、則ち云爾(しかり)と謂うべきのみ。公西華曰く、正に唯(しかり)、弟子、学ぶ能わざるなり。

(新)子曰く、超人的な聖人、最高の人格の仁者には私は到底及びもつかぬ。しかしながらそれを理想として学んで厭わず、それを人に教えて怠らぬのは、肯定してもよかろうかと思う。公西華曰く、確かにその通りで、我等弟子どもには真似のできぬ点です。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-05

[][][][]述而第七を読む(その21) 20:59 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その21) - 蜀犬 日に吠ゆ

文莫は吾れ猶お人のごとき

 述而第七(148~184)

179 子曰。文莫吾猶人也。躬行君子。則吾未之有得。

(訓)子曰く、文莫(ぶんぼ)は吾れ猶お人のごときなり。君子を躬行(きゅうこう)することは、吾れ未だこれを得ることあらず。

(新)子曰く、努力の点では私もこれまで人なみにしてきた。しかし教養人さながらに振舞うところまでは、なかなかまだ至っていない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-03

[][][][]述而第七を読む(その20) 20:59 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その20) - 蜀犬 日に吠ゆ

君子は党せず

 述而第七(148~184)

177 陳司敗問。昭公知礼乎。孔子曰。知礼。孔子退。揖巫馬期而進之曰。吾聞君子不党。君子亦党乎。君取於呉。為同姓。謂之呉孟子。君而知礼。孰不知礼。巫馬期以告。子曰。丘也幸。苟有過。人必知之。

(訓)陳の司敗問う。昭公は礼を知るか。孔子曰く、礼を知る。孔子退く。巫馬期に揖してこれを進めて曰く、吾れ聞く、君子は党せず、と。君子も亦た党するか。君は呉より娶り同姓たり。これを呉孟子と謂えり。君にして礼を知らば、孰(た)れか礼を知らざらん。巫馬期、以て告ぐ。子曰く、丘や幸なり。苟(いやし)くも過ちあれば、人必ずこれを知らしむ。

(新)陳の国の司敗が孔子に質問した、魯の昭公は礼を知る人ですか、孔子が対えて曰く、礼を知る人です。孔子が退出した。司敗が巫馬期に笏(しゃく)で合図をして近くへ呼びよせて曰く、私は、教養の高い君子というものは、仲間賞めをしない、と聞いていたが、貴方がたのような君子連でも仲間賞めをするのでしょうか。魯君は呉の国から夫人を迎えたが両国は同姓の間柄です。従って夫人は普通なら孟姫というところを、姫の字を避けて呉孟子とよんでいるといいます。魯君が礼を知る人であったなら、いったいこの世に礼を知らぬ人がいるでしょうか。巫馬期がこの話を孔子に告げた。子曰く、私は仕合せにも、過失があった時には、きっと人がそれを知らせてくれる。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-02

[][]心も詞も及ばれね~~橋本治『双調 平家物語』1 中公文庫(その1) 19:24 はてなブックマーク - 心も詞も及ばれね~~橋本治『双調 平家物語』1 中公文庫(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

 並行的に何冊か読むことはよくあるのですが、このターンは重たい本が多い。これもまだ途中。

双調 平家物語〈1〉序の巻 飛鳥の巻 (中公文庫)

双調 平家物語〈1〉序の巻 飛鳥の巻 (中公文庫)

 以前、単行本で挫折したのですが、文庫版が出だしたので再チャレンジ。再チャレンジ政権はお腹痛くなったので縁起悪いことは悪いのですが、迷信は信じない方向で。

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[][][][]述而第七を読む(その19) 19:37 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その19) - 蜀犬 日に吠ゆ

仁、遠からんや

 述而第七(148~184)

176 子曰。仁遠乎哉。我欲仁。斯仁至矣。

(訓)子曰く、仁、遠からんや。我れ、仁を欲すれば、斯に仁至る。

(新)子曰く、仁の道は遠くにある理想ではない。いま自分が仁を行おうと思えば、仁はすぐそこにあるのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2009-09-01

[][][][]陰謀、陰謀、また陰謀~~五味康祐『柳生武芸帳』上 文春文庫(その1) 23:17 はてなブックマーク - 陰謀、陰謀、また陰謀~~五味康祐『柳生武芸帳』上 文春文庫(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

 上巻だけで700頁弱という分量もそうですが、頭のチューニングやつぎつぎ登場する人物たちがもう大混乱ですので、400頁程度読み進めた時点で一旦メモを確認。

柳生武芸帳 上 (文春文庫)

柳生武芸帳 上 (文春文庫)

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[][][][]述而第七を読む(その18) 21:47 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その18) - 蜀犬 日に吠ゆ

互郷は与に言い難し

 述而第七(148~184)

175 互郷難与言。童子見。門人惑。子曰。与其進也。不与其退也。唯何甚。人潔己以進。与其潔也。不保其往也。

(訓)互郷は与(とも)に言い難し。童子、見(まみ)えんとす。門人惑う。子曰く、其の進むことを与(ゆる)し、其の退くを与さざるならば、唯何ぞ甚しきや。人、己を潔(きよ)くして以て進まば、其の潔きを与さん。其の往(むかし)を保せざるなり。

(新)互郷という邑は人気の悪いことで有名で、誰からも相手にされなかった。その邑の少年が孔子に入門のため、面会を求めてきた。門人たちはその扱いに当惑した。子曰く、面会を認めたからには、何時までも門下に引きとめておかねばならぬものだというなら、それはあまりに取越苦労というものだ。たとえば、人が着物を着かえてやってきたなら、そのこざっぱりした点を認めてやらねばならぬのと同じだ。今まで何をやっていたか、その本質が何であるかを一々問いただすには及ばない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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