蜀犬 日に吠ゆ

2009-09-02

[][][][]述而第七を読む(その19) 19:37 はてなブックマーク - 述而第七を読む(その19) - 蜀犬 日に吠ゆ

仁、遠からんや

 述而第七(148~184)

176 子曰。仁遠乎哉。我欲仁。斯仁至矣。

(訓)子曰く、仁、遠からんや。我れ、仁を欲すれば、斯に仁至る。

(新)子曰く、仁の道は遠くにある理想ではない。いま自分が仁を行おうと思えば、仁はすぐそこにあるのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 またしても力不足の話になりますが、孔子は、決して無理な理想を人に押しつけようとしているのではありません。物事には段階があり、人間の能力には限界があります。しかし、仁を志すという事においては、人は何らの妨害を受けるわけでもないので、いつでもどこでもできるはず、というのが、「斯に仁至る」、の意味ではないでしょうか。


 四を以て教うで加地先生が表をつくっていました。下記のようなものです。


 形 式内 容
自己に対して知識・学問(文)道徳・修養(行)
他者にたいしてまごころの表現(忠)まごころの実質化(信)

 他者の介在するものは、状況の許す範囲に応じて達成度が変わることでしょう。泥棒に信頼されてもしかたない、とか。しかし、自己に対するものであれば、そうではないと孔子は考えたのでしょう。