蜀犬 日に吠ゆ

2009-09-15

[][][][]泰伯第八を読む(その3) 20:21 はてなブックマーク - 泰伯第八を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

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曾子疾いあり その一

 泰伯第八(185~205)

187 曾子有疾。召門弟子曰。啓予足。啓予手。詩云。戦戦兢兢。如臨深淵。如履薄冰。而今而後。吾知免夫小子。

(訓)曾子、疾(やま)いあり。門弟子を召して曰く、予が足を啓け、予が手を啓け。詩に云う、戦戦兢兢として、深き淵に臨むが如く、薄き冰を履(ふ)む如くせよ、とあり。而今而後、吾れ免れしを知るかな、小子。

(新)曾子が危篤に陥った。門人たちを呼び集めて言った。私の足のまわりを見てくれ、手のまわりを検(しら)べてくれ。詩に、身体を大切にするには、いつもびくびくして、深い淵にのぞきこみ、薄い冰の上をわたる時のようにせよ、とある。今日という今日で、私は孝行の任務から解放されたぞよ。さらば各々方。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

曾子疾いあり その二

 泰伯第八(185~205)

188 曾子有疾。孟敬子問之。曾子言曰。鳥之将死。其鳴也哀。人之将死。其言也善。君子所貴乎道者三。動容貌。斯遠暴慢矣。正顔色。斯近信矣。出辞気。斯遠鄙倍矣。籩豆之事。則有司存。

(訓)曾子、疾いあり。孟敬子、これを問う。曾子、言いて曰く、鳥の将に死なんとするや、其の鳴くこと哀し。人の将に死なんとするや、其の言うこと善し、とあり。君子の道に貴ぶところのもの三あり。容貌を動かしては、斯(ここ)に暴慢に遠ざかる。顔色を正しくしては、斯に信に近づく。辞気を出しては、斯に鄙倍(ひばい)に遠ざかる。籩豆の事には、有司存す。

(新)曾子の病気が重くなった。孟敬子が見舞いにきた。曾子が苦しい息して曰く、鳥の死にかけた時は、鳴く声がせつない、人が死にかけた時は、その言うことが正直だ、という諺があります。私は貴方に徳義上、どうしても尊重してもらいたい三箇条を申し上げなければなりません。たといショックを受けた時であっても、乱暴傲慢に流れてはいけません。正気の顔で言ったことについてはどこまでも責任を取りなさい。議論をする時でも、野卑な言葉を出すのを慎みなさい。以上の三つです。細かい事務的な仕事には、それぞれの係りの下役がいるはずです。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫