蜀犬 日に吠ゆ

2009-10-17

[][][][]子罕第九を読む(その16) 23:58 はてなブックマーク - 子罕第九を読む(その16) - 蜀犬 日に吠ゆ

譬えば山を為るが如し

 子罕第九(206~235)

223 子曰。譬如為山。未成一簣。止吾止也。譬如平地。雖覆一簣。進吾往也。

(訓)子曰く、譬(たと)えば山を為(つく)るが如し。未だ成らざること一簣なるも、止むは吾れ止むなり。譬えば地を平にするが如し。一簣を覆(か)えすと雖も、進むは吾れ往くなり。

(新)子曰く、学問は譬えば、山を造るようなものだ。あと簣(もっこ)に一杯の土で出来上がるときでも、そこで止めたらその人の仕事は未完成のままだ。学問はまた字面の凹みを埋めるようなものだ。簣に一杯の土をほうりこんで埋めただけでも、一歩進めば、その人一歩だけの進歩があったのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 自己責任論。

 止むも進むも己からすることであるから、学者は自彊息まざる覚悟がなければならぬ。

宇野哲人『論語新釈』講談社学術文庫