蜀犬 日に吠ゆ

2009-11-07

[][][][]郷党第十を読む(その6) 20:29 はてなブックマーク - 郷党第十を読む(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

君子は紺緅を以て飾りとせず

 郷党第十(236~253)

241 君子不以紺緅飾。紅紫不以為褻服。当暑袗絺綌。必表而出之。緇衣羔裘。素衣麑裘。黄衣狐裘。褻裘長。短右袂。必有寝衣。長一身有半。狐貉之厚以居。去喪無所不偑。非帷裳。必殺之。羔裘玄冠不以弔。吉月。必朝服而朝。

(訓)君子は紺緅(かんしゅう)を以て飾りとせず。紅紫は以て褻服(せつふく)と為さず。暑に当っては袗(ひとえ)の絺綌(ちげき)もてす。必ず表してこれを出す。緇衣(しい)には羔裘(こうきゅう)、素衣(そい)には麑裘(げいきゅう)、黄衣(こうい)には狐裘(こきゅう)。褻裘(せつきゅう)は長く、右袂(うべい)を短くす。必ず寝衣あり。長さ一身有半。狐貉(こかく)の厚き以て居る。喪を去れば偑(お)びざる所なし。帷裳(いしょう)に非ざれば、必ずこれを殺(さい)す。羔裘(こうきゅう)玄冠(げんかん)は以て弔せず。吉月には必ず朝服して朝す。

(新)(身分ある者は衣服にも制約があるのでそれを守った。)紺や緅色(くりいろ)で縁をとらない。紅や紫の色は平常着に用いない。暑中には麻の単衣(ひとえ)だが、必ず下着にあわせて着る。黒い服には子羊の毛皮、白い服には鹿の毛皮、黄色い服には狐の毛皮で上張りをつくる。平常着の毛皮の服はたけが長く、右の袂を短くする。寝るときは必ず寝巻きを着、身長よりも更に半分長い。狐や貉(むじな)の毛の厚い皮の敷物は休息の場合に用いる。喪に服するときでなければ、どんなアクセサリーを着けてもかまわない。祭服でなければ裳(もすそ)にひだをとらない。子羊の皮ごろもと、黒い冠は悔みに行く時には用いない。毎月朔日には必ず礼服を着て、君主にご機嫌伺いに行く。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 服装の礼法。もちろんここでも、その志を汲んで現代に活かすことが大切なので、孔子の時代の服装を真似る必要はありません。そもそもこんなに毛皮ばっかりで、ワシントン条約にチャレンジングな礼法ですね。毛織物製品であった可能性はないのでしょうか。


斉するには必ず

 郷党第十(236~253)

242 斉必有明衣。布。斉必変食。居必遷坐。

(訓)斉(さい)するには必ず明衣あり、布もてす。斉するには必ず食を変ず。居には必ず坐を遷す。

(新)祭などのためのものいみする時は、必ず特別の明衣があって麻布で製した。ものいみには必ず特別の食物で精進した。休息してくつろぐには必ず座席を別に移した。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 潔斎の過ごし方。ものいみの最中でもずっと張りつめているわけにはいかないので、きちんと休息の規定があるあたり、儒教の現実主義が読み取れますね。