蜀犬 日に吠ゆ

2009-11-11

[][]森薫『乙嫁語り』1 エンターブレイン 22:32 はてなブックマーク - 森薫『乙嫁語り』1 エンターブレイン - 蜀犬 日に吠ゆ

 ヴィクトリア朝メイドの話とかきくと「けぇぇぇ~? くっだらねぇ」とか脊髄反射する私ですが、遊牧民から嫁が来る! これは!! とか即本屋に走ってしまうのです。絨毯織ってる暇もねえ。

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

 一巻ではほとんどはなしが分からないどころか、登場人物の相関も作者あとがきでようよう説明があった、というくらいで、こいつは話し長そうですぜ、ダンナ。(つまり、この先読む気が失せたということ)


[][][][][]血を啜り、肉を喰らう~~田中芳樹『纐纈城奇譚』朝日文庫 (その1) 21:34 はてなブックマーク - 血を啜り、肉を喰らう~~田中芳樹『纐纈城奇譚』朝日文庫 (その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

 文庫化ということで読みました。面白かった。

 面白かった、のですが、 不満も残りました。そう、わたしは欲張りなのです。饕餮なんです。

纐纈城綺譚 (朝日文庫)

纐纈城綺譚 (朝日文庫)

後記

纐纈城奇譚」は、素材が素材であるから、歴史小説ではなく時代小説に分類されるべき作品になったようである。ただ私には、過去の中国を舞台にしながら、歴史状況とはまったくかかわりなく、固有名詞さえ入れかえれば唐の長安も宋の開封も同じこと、というような作品は書けず、それなりの時代背景を設定する苦労を強いられた。

田中芳樹『纐纈城奇譚』朝日文庫

 大体わたしは田中芳樹先生のファンなのであろうか。「銀河英雄」なんちゃらは全く読んでいません。アルスラン年代記? は読みたいのですが売ってない。むかし『創竜伝』文庫版のやつ読んでいましたが、4巻か5巻か、そのくらいで飽きちゃったのですよね。中国ものにしても、ちょぼちょぼ。

 しかし、気になる作家さんではあるわけです。今回にしても、「纐纈城」を持ってくるあたりが私の興味関心にジャストミートですし。その期待の高さが、無い物ねだり的なイチャモンにつながるのでしょうか。

  1. 秋風ノ巻 p7
    • 揚州の武侠、棒使いの辛讜とその友達の李延枢が長安に来る。
    • 綵纈鋪(ごふくや)で安赤色の布を見つけ、露天の主を問いつめるが、逃げられる。
    • 勘違いをした李績と争いになるが和解し、辛讜は円仁から聞いた纐纈城の話を李績に語る。
    • 料理屋が襲撃される。
  2. 幻戯ノ巻 p42
    • 大唐十六大皇帝宣宗は、廷臣王式から纐纈城の報告を聞く。
    • 辛讜と李延枢は戯場の縄技に仕組まれた罠にはまる。
  3. 高楼ノ巻 p78
    • 纐纈城主が物語に登場する。
      • 早いよなあ。後述。
      • カリスマ! (なのか?)
    • 王式の細作(みってい)徐珍が纐纈一党の船から匣を盗みだし、辛讜たちと合流する。
    • 宣宗暗殺計画が始動。賊が聖輿を襲う。李績は賊を高楼に追い詰める。
  4. 残月ノ巻 p112
    • 辛讜たちが寄宿する王式の邸宅が纐纈一党に襲撃される。
      • 「よくよく放火が好きと見えるな。纐纈城の一党は」
    • 雑伎一座の女座長、宗緑雲が仲間に加わる。
    • 宣宗暗殺計画第二弾。毒茶の計。
    • 宦官、廷臣、大商人などが捕縛されて纐纈城の活動が明らかとなる。
  5. 白霧ノ巻 p149
    • 辛讜たちが纐纈城の場所を突き止めるため長安を出発。
      • ここで、「狩る者」と「狩られる者」が逆転する。
    • 王式は長安郊外の騎馬民族を遊軍として編成し、城攻めを準備する。
  6. 断影ノ巻 p179
    • 纐纈城潜入。
    • 纐纈城主と死闘。
      • 友情(義侠)、努力(不屈)、そして勝利。
  7. 余章



[][][][]郷党第十を読む(その9) 20:50 はてなブックマーク - 郷党第十を読む(その9) - 蜀犬 日に吠ゆ


人を他邦に問わしむる

 郷党第十(236~253)

246 問人於他邦。再拝而送之。康子饋薬。拝而受之。曰。丘未達。不敗嘗。

(訓)人を他邦に問わしむるには、再拝してこれを送る。康子、薬を饋(おく)る。拝してこれを受く。曰く、丘、未だ達せず。敢えて嘗めず、と。

(新)使者を他国に出して人を訪問させるときには、再拝して使者を送り出す。康子から薬を贈られた。拝してこれを受取った上、暫くしてから面会して言った。お笑いになるかも知れませんが、実は方位の心配がありまして、まだ頂くことをせずにおります、と。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 未達とは方位とか相性とかの吉凶を超越し、悟りきることがまだ出来ない、という意味であろう。これは相手の厚意を無にせず辞退するときの口実で、最も丁寧なことわり方。あるいは当時の常套的な切口上であろう。現今の日本でも時によって用いられる。ところがどうかすると、その迷信がそのまま信仰されてしまうから救われない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 ははは宮崎先生、途中から話がズレてませんかね。

 康子は、季康子。よく分からないものは(とくに薬は)うかつに口にしないのも作法、ということでしょうか。