蜀犬 日に吠ゆ

2009-11-11

[][][][]郷党第十を読む(その9) 20:50 はてなブックマーク - 郷党第十を読む(その9) - 蜀犬 日に吠ゆ


人を他邦に問わしむる

 郷党第十(236~253)

246 問人於他邦。再拝而送之。康子饋薬。拝而受之。曰。丘未達。不敗嘗。

(訓)人を他邦に問わしむるには、再拝してこれを送る。康子、薬を饋(おく)る。拝してこれを受く。曰く、丘、未だ達せず。敢えて嘗めず、と。

(新)使者を他国に出して人を訪問させるときには、再拝して使者を送り出す。康子から薬を贈られた。拝してこれを受取った上、暫くしてから面会して言った。お笑いになるかも知れませんが、実は方位の心配がありまして、まだ頂くことをせずにおります、と。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 未達とは方位とか相性とかの吉凶を超越し、悟りきることがまだ出来ない、という意味であろう。これは相手の厚意を無にせず辞退するときの口実で、最も丁寧なことわり方。あるいは当時の常套的な切口上であろう。現今の日本でも時によって用いられる。ところがどうかすると、その迷信がそのまま信仰されてしまうから救われない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 ははは宮崎先生、途中から話がズレてませんかね。

 康子は、季康子。よく分からないものは(とくに薬は)うかつに口にしないのも作法、ということでしょうか。