蜀犬 日に吠ゆ

2009-11-15

[][][][]郷党第十を読む(その13) 19:58 はてなブックマーク - 郷党第十を読む(その13) - 蜀犬 日に吠ゆ

朋友死して

 郷党第十(236~253)

250 朋友死。無所帰。曰。於我殯。朋友之饋。雖車馬。非祭肉不拝。

(訓)朋友死して帰する所なければ、曰く、我において殯(ひん)せよ、と。朋友よりの饋(おくりもの)は、車馬と雖も、祭肉に非れば拝せず。

(新)朋友が死んで近親者が居ない時には、私の家に棺をお預かりしましょう、と言った。朋友からの贈物は、車や馬のような高価なものでも、拝して受取ることはしなかった。拝するのは、ただ祭に供えた肉のお裾分けの時だけであった。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

「殯(かりもがり)」は、没してから埋葬するまでの間、遺体を棺に納めて安置し、一定の儀式を行うことをいう。その期間については諸説あるが、中国古代では、天子は七ヵ月、諸侯は五ヵ月、大夫は三ヵ月、士は二ヵ月という長期であったとされるが、十三世紀の宋代の朱子以後では、一般人は三日間ぐらいの短期間になっていた。今日の(臨終から出棺までの期間)に当たる。殯のあと、仮の埋葬をする。正式の埋葬はさらに一定期間を要する。

加地伸行『論語』講談社学術文庫

 友人に身寄りがなければ、身寄りになる。贈物は当然のこととして贈り、また贈られる。いちいち大仰に構えたりしない。そういう交わりが君子には求められる、と。