蜀犬 日に吠ゆ

2009-11-27

[][]遠藤寛子『算法少女』ちくま学芸文庫 21:18 はてなブックマーク - 遠藤寛子『算法少女』ちくま学芸文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 

算法少女 (ちくま学芸文庫)

算法少女 (ちくま学芸文庫)

はじめに

 『算法少女』――これは、わたしがつけた題ではありません。いまから二百年ほどむかし、じっさいに江戸で出版された算法(数学)の本の題なのです。

 この愛らしい題をもつ本の作者が、いったいだれなのか、長いあいだはっきりしませんでした。ようやく昭和の初めになって、三上義夫氏の研究で、千葉桃三(とうぞう)という医師らしいこと、あき(章子)という娘が、父をてつだったのではないか、ということにおちつきました。

 けれども、この本については、なお多くの部分がなぞとして残されています。

遠藤寛子『算法少女』ちくま学芸文庫

 だからその謎を埋めるために小説をものした、と。小説家として、完璧な創作態度といえましょう。