蜀犬 日に吠ゆ

2009-12-05

[][][][]先進第十一を読む(その7) 16:30 はてなブックマーク - 先進第十一を読む(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

噫、天、予を喪すか

 先進第十一(254~278)

261 顔淵死。子曰。噫。天喪予。天喪予。

(訓)顔淵死す。子曰く、噫(ああ)、天、予を喪(ほろぼ)すか。天、予を喪すか。

(新)顔淵が死んだ。子曰く、ああ、お天道さまは私を亡す気か、私は死んでしまったも同然だ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 強い詠嘆、慨嘆は繰り返して言う。


 祖先、祖霊の崇拝は儒教の重視するところですが、それは、先人から受け継いだ文化文明を大事にするからです。未来に希望があるのは、その道を継承し発展させてくれる若者がいるからです。とすれば、後継者として目をかけていた顔回が死に、道が途絶えてしまうことは、自分の人生や天命がすべて失われてしまったにひとしいでしょう。

 顔回の死は、おそらく孔子教団にとって大きな転換点となり、私たちが現在目にするような儒教のかたちを決定づけた大事件であったろうと想像できます。