蜀犬 日に吠ゆ

2009-12-15

[][][][]先進第十一を読む(その12) 20:53 はてなブックマーク - 先進第十一を読む(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

由の瑟

 先進第十一(254~278)

267 子曰。由之瑟。奚為於丘之門。門人不敬子路。子曰。由也升堂矣。未入於室也。

(訓)子曰く、由の瑟(しつ)、奚(なん)すれぞ、丘の門に於てせん。門人、子路を敬せず。子曰く、由や、堂に升(のぼ)れり。未だ室に入らざるのみ。

(新)子曰く、由の琴のひきようは、私の家でするには不向きだな。それを聞いて門人たちが、子路をあなどり始めた。子曰く、由の手並みは世間の水準以上なんだ。ただ私の注文どおりにはまだ及ばないと言っただけだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 こういう事ありますよね。けなされたことのない人が、けなされた人を馬鹿にする。

 子路は兎も角、けなされた人も、「試される場に出た」というだけで、何もしない人たちよりもずっと価値があるのに。

 そうして、たとえばこの章句の事例で言えば、孔子の言葉を自分に都合のいいように解釈して子路を尊敬しなくなった弟子たちというのは、おそらく自分で琴など出来ない初心者たちであろうと推測します。その道に、少しでも尊敬をもった人間であれば、孔子の言わんとすることを汲みとることができたことでしょう。