蜀犬 日に吠ゆ

2009-12-24

[][]草食とか~~夏目漱石『彼岸過迄』新潮文庫 20:41 はてなブックマーク - 草食とか~~夏目漱石『彼岸過迄』新潮文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 草食男子がどーのこーのと言っている人がいて、「最近の若い者は」的ないつものくり返しだろうと思ったのですが、出典も無しに言うのもなんなので、確か結婚も就職もするつもりがない主人公の話があったな。と本棚を探るも当然無いのでまた入手しなおし。

彼岸過迄 (新潮文庫)

彼岸過迄 (新潮文庫)

 かかる開化の影響を受ける吾等は、上滑りにならなければ必ず神経衰弱に陥いるに極っているという理由を、臆面なく聴衆の前に曝露した。そうして物の真相は知らぬ内こそ知りたいものだがいざ知ったとなると、却って知らぬが仏で済ましていた昔が羨ましくって、今の自分を後悔する場合も少なくはない、私の結論なども或はそれに似たものかも知れません

夏目漱石『彼岸過迄』新潮文庫 p285

 そうしたら、主人公は私の思っていた無職の男ではなかったので、またしても衝撃。どうも、私が昔読んだ本の内容はほぼ忘れられ、忘れるだけならまだしも出鱈目に塗り替えられている様子。

  • 彼岸過迄に就て p5-
    • 「彼岸過迄」というのは元日から始めて、彼岸過迄書く予定だから単にそう名づけたまでに過ぎない実は空しい標題(みだし)である。
  • 風呂の後 p9-
    • 主人公である敬太郎は大学卒業後の就職活動中。ある日風呂屋で同じ下宿の森本に会う。森本は海外を含めあちこちで冒険稼業をした男で、嘘とも本当ともつかない怪奇譚を語る。
    • 森本はある日行方不明となる。のちに大連から手紙が届き、敬太郎は蛇頭の洋杖をもらいうける。
  • 停留所 p38-
    • 敬太郎は友人の須永に頼んで叔父の田口に紹介してもらう。須永の家を訪ねるときに、若い女性の後ろ姿を見る。
    • 敬太郎は紹介状をもって内幸町の田口をおとなうが、二度、就職の話ができずに終わる。
    • そのついでに須永の家に寄った敬太郎は、須永が留守なので、帰るまでその母と話す。
    • 就職のあてがなくなった敬太郎は占い師に相談する。なんだかよく分からない事を言われる。
    • 田口にあって、就職の斡旋を頼む。
    • 田口からの書状で探偵を依頼される。敬太郎は占い師の言葉は洋杖のことと見抜き、それを持って出掛ける。
    • 停留所から探偵する。レストランに行き、停留所に戻り、見失う。
  • 報告 p126-
    • 田口に探偵医の様子を報告する。田口から松本への紹介状をもらう。
    • 矢来の松本宅に行くが、雨の日だったので面会を断られる。
    • 晴れた日に高等遊民松本に会う。松本、須永、田口の関係と、田口の娘の話を聞く。
  • 雨の降る日 p163-
    • 敬太郎は就職後も田口の家に何度か来ることになり、二人の娘、千代子と百代子と知り合う。
    • 須永の家で、千代子から、松本の末娘宵子が二歳で死んだ話を聞く。
  • 須永の話 p184-
    • 須永が就職しない話、仲の良い千代子と結婚しない話を聞く。須永の母は須永と千代子の結婚を望んでいる。
    • 夏、鎌倉で、千代子と高木との姿を見た話と、そのあと千代子と言い争いになった話を聞く。
  • 松本の話 p274-
    • 松本は須永に実の母の話をする。
    • 須永が関西から山陽に旅をする。
  • 結末 p305-