蜀犬 日に吠ゆ

2009-12-29

[][][][]顔淵第十二を読む(その0) 19:46 はてなブックマーク - 顔淵第十二を読む(その0) - 蜀犬 日に吠ゆ

顔淵第十二 解題

顔淵第十二

(解説)この篇はすべて二十四章から成っている。

宇野哲人『論語新釈』講談社学術文庫

 宇野先生の「論語解題」がそっけないので、吉川先生の解題を引き写しておきます。



 この篇については、一つのことが注意を惹く。すなわち(略)半ば以上が、抽象的な問題について、問いを発し、それに孔子が答えたかたちになっている。こうしたかたちの問答は、これまでの諸篇にも見えなかったではない(略)が、要するに、その例は甚だ少ない。ところがこの篇では、二四分の十三という、圧倒的な比率である。

吉川幸次郎『論語』下 朝日選書

 また問いが抽象的であるのに応じて、答えもまた、必ずしも即物的でない。孔子の門流のうち、抽象的な議論を好む派によって集められた篇であると、疑い得ないでない。さらにまたひろくしては、上論十篇と、下論十篇との、間隔を示すかも知れない。仁斎は上論十篇は、いわば正集であり、下論十篇は続集であって、まず前半十篇が編集され、補遺としてあとから下論十篇が加わったとする。(中略)いったいに下論は、上論がより多く即物的であるのに対し、より多く抽象的であり、したがってより多く教条的である。

吉川幸次郎『論語』下 朝日選書