蜀犬 日に吠ゆ

2010-01-10

[][][]蛇の章を読む(その6) 14:14 はてなブックマーク - 蛇の章を読む(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ


第一 蛇の章

二、ダニヤ

二六 牛飼いダニヤがいった、

「未だ馴らされていない牛もいるし、乳を飲む仔牛もいる。孕んだ牝牛もいるし、交尾を欲する牝牛もいる。牝牛どもの主である牡牛もいる。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」

二七 師は答えた、

「未だ馴らされていない牛もいないし、乳を飲む仔牛もいない。孕んだ牝牛もいないし、交尾を欲する牝牛もいない。牝牛どもの主である牡牛もここにはいない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」


二八 牛飼いダニヤがいった、

「牛を繋ぐ杭は、しっかり打ちこまれていて揺がない。ムンジャ草でつくった新しい縄はよくなわれている。仔牛もこれを断つことができないであろう。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」

二九 師は答えた、

「牡牛のように結縛(むすびいましめ)を断ち、くさい臭いのする蔓草を象のように踏みにじり、わたくしはもはや母胎に入ることはないであろう。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

 財産を持っているとか持っていないとか、そういうことにとらわれない。財産を持っていることにとらわれれば、それを失うことへの不安に苛まれなければなりません。師ブッダはそうした執著を捨て去っているのです。