蜀犬 日に吠ゆ

2010-02-16

[][][][]憲問第十四を読む(その3) 19:25 はてなブックマーク - 憲問第十四を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

士にして居を懐えば

 憲問第十四(333~379)

335 子曰。士而懐居。不足以為士矣。

(訓)子曰く、士にして居を懐(おも)えば、以て士と為すに足らず。

(新)子曰く、いやしくも求道の学徒として、安楽を願うようでは、学徒たる名が泣くというものだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 居の一字に安居、閑処の意味がある。この章はまた儒教のストイシズムの一面をよく表すものである。学問に志しながら、レジャーの時間を欲しいなどいうようでは見込みがないというわけ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 しかし、孔子先生がこうして忠告するということは、実際問題としてそういう若者が相当数いたということが類推できそうです。

 学而第一にも君子居に安きを求むるなし、とあります。憲問第十四のこの章で、吉川先生は「居」を私生活の意味にとりますが、国を安らかにすることが士の仕事であって、おのれ独りの安逸など考える暇はない、ということなのでしょう。