蜀犬 日に吠ゆ

2010-02-19

[][][]蛇の章を読む(その35) 21:56 はてなブックマーク - 蛇の章を読む(その35) - 蜀犬 日に吠ゆ

かれは与えられないものを取らないであろうか

第一 蛇の章

九、雪山に住む者

一五六 雪山に住む者という神霊がいった、「かれは与えられないものを取らないであろうか? かれは生きものを殺さないように心がけているだろうか? かれは怠惰から遠ざかっているであろうか? かれは精神の統一をやめないであろうか?」

一五七 七岳という神霊は答えた、「かれは与えられないものを取らない。かれは生きものを殺さないように心がけている。かれは怠惰から遠ざかっている。目ざめた人(ブッダ)は精神の統一をやめることがない。」

一五八 雪山に住む者という神霊がいった、「かれは嘘をつかないであろうか? 粗暴なことばを発しないだろうか? 中傷の悪口を言わないだろうか? くだらぬおしゃべりを言わないだろうか?」

一五九 七岳という神霊は答えた、「かれは嘘をつかない。また粗暴なことばを発しない。また中傷の悪口を言わない。くだらぬおしゃべりを言わない。」

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

 註。

一五八 粗暴なことば――註釈にしたがって解した(na khinavyappatho ti, na pharusavaco ti vuttam hoti. Pj. Ⅰ, 204)。

 中傷の悪口――vebhutiya.

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

 これは十善戒に対応しているのでしょうか?

 そして、この展開だと師ブッダは登場せず、七岳と呼ばれる神霊が師ブッダの偉大な部分を賞讃して住ますような気がします。また、「不殺生戒」が、「生きとし生けるものを殺さない」ようにこころがけている、というのは現実的でいいなあ。もちろん、心がけるからには肉食せず、歩く足の前を箒で掃いたりするのでしょうけれども。