蜀犬 日に吠ゆ

2010-02-26

[][][][]憲問第十四を読む(その11) 23:32 はてなブックマーク - 憲問第十四を読む(その11) - 蜀犬 日に吠ゆ

子路、成人を問う

 憲問第十四(333~379)

345 子路問成人(子)曰。若臧武仲之知。公綽之不欲。卞荘子之勇。冉求之芸。文之以礼楽。亦可以為成人矣。子曰。今之成人者。何必然。見利思義。見危授命。久要不忘平生之言。亦可以為成人矣。

(訓)子路、成人を問うて曰く、臧武仲の知、公綽の不欲、卞荘子の勇、冉求の芸あるが若くして、これを文(かざ)るに礼楽を以てすれば、亦た以て成人となすべきか。子曰く、今の成人なる者は何ぞ必ずしも然らん。利を見ては義を思い、危うきを見ては命を授け、久要に平生の言を忘れざれば、亦た以て成人と為すべし。

(新)子路が人物としての及第点を尋ねて言った。臧武仲のような知性、孟公綽のような無欲、卞荘子のような勇気、それに冉求のような才芸があって、なおその上に礼楽の教養で磨きをかけたなら、人物として及第点が与えられましょうか。子曰く、今の及第点は到底そんな贅沢は言っておれないな。ずっと程度を引下げて、利益を前にしては、それが正義か不義かを考えて立止まり、危険な場合には生命を投出す覚悟があり、どんな時にも平生口にしていた言葉を忘れないでいる人があったら、さっさと及第点をつけられるよ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 前章の「孟公綽」への人物評価を聞いた、子路の質問。