蜀犬 日に吠ゆ

2010-03-25

[][][]蛇の章を読む(その43) 21:09 はてなブックマーク - 蛇の章を読む(その43) - 蜀犬 日に吠ゆ

忍耐づよく努力する者は財を得る

第一 蛇の章

一〇、アーラヴァカという神霊

一八七 適宜に事をなし、忍耐づよく努力する者は財を得る。

  誠実をつくして

  名声を得、

  何ものかを与えて交友を結ぶ。

一八八 信仰あり在家の生活を営む人に、誠実、真理、堅固、施与というこれらの四種の徳があれば、かれは来世に至って憂えることがない。

一八九 もしもこの世に誠実、自制、施与、耐え忍びよりもさらに勝れたものがあるならば、さあ、それら他のものをも広く(道の人)、バラモンどもに問え。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

 註。

一八七 適宜に事を為す―― patirupakari とは、場所、時間などを逸することなく、世間的なあるいは超世俗的な財を、適宜に得させる手段を講ずることである(略)。

 財を得る――だからここで「財を得る」というのは、宗教的な財でもよいし、世俗的な財でもよく、両者にかかわるのである。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

 世俗的な財を得るためであれば、普通仏教には志さないとおもいますが、我利我利亡者を肯定するのでしょうか。

 何ものかを与えて交友を結ぶ――註釈家によると、四摂事によって友人をつくるという意味であるとも解し得るという。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

 兼好法師も、「友達にするならものをくれる人」と言っている位ですから、友達になるためにプレゼントを繰り返す、いわゆる「バラマキ政策」でいいのではないでしょうか。

真理――原語は dhamma. ここでそれが何を意味するのか、よく解らない。註は第一八六詩の「教えを聞こうとする熱望によって智慧を得る」ことを言うのだと解する。しかしどうも適合しない。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

一八九 ここに数え立てられている徳目は叙事詩にも出ている(Vedasyopanisat : satyam satyasyopanisad damah | damasvopanisan moksa etat sarvanusasanam || MBh. ⅩⅡ, 12, 16; ⅩⅡ, 299, 13)。遡るとウパニシャドのうちに説かれている。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫