蜀犬 日に吠ゆ

2010-04-01

[][][][]衛霊公第十五を読む(その8) 14:24 はてなブックマーク - 衛霊公第十五を読む(その8) - 蜀犬 日に吠ゆ

人、遠き慮りなければ、必ず近き憂えあり

 衛霊公第十五(380~420)

390 子曰。人無遠慮。必有近憂。

(訓)子曰。人、遠き慮りなければ、必ず近き憂えあり。

(新)子曰く、人間は遠い先のことを考えながら行動しないと、きっと思わぬ躓きにぶつかるものだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 逆にいえば、目先の損得にばかり眼をやっている人は、つぎつぎとやって来る新しい悩み事を解決することができない、と。


未だ徳を好むこと

 衛霊公第十五(380~420)

391 子曰。已矣乎。吾未見好徳。如好色者也。

(訓)子曰。已んぬるかな。吾れは未だ徳を好むこと、色を好むが如き者を見ず。

(新)子曰く、困った世の中だ。異性に関心の強い人間ばかり多くて、修養に心がける人間はさっぱりいないではないか。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 222とほとんど同文である。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 ほとんど同文ですが、「已矣乎」が加わっているわけですね。というわけで、恒例の「已矣乎」和訳比較。

 読み下し訳文
金谷治已んぬるかなおしまいだなあ
宮崎市定已んぬるかな困った世の中だ
加地伸行已んぬるかなもはやだめだな
宇野哲人已んぬるかなもはやこれで望むのをやめてしまおうか
吉川幸次郎已んぬるかな自己の理解者がどこにもいないという絶望

現代風にいえば。