2010-04-12
■ [書留][儒教][衛霊公第十五][宮崎市定]衛霊公第十五を読む(その18) 
巧言は徳を乱る
衛霊公第十五(380~420)
405 子曰。巧言乱徳。小不忍。則乱大謀。
(訓)子曰く、巧言は徳を乱る。小を忍ばざれば、則ち大謀を乱る。
(新)子曰く、きれいなだけの言葉は、その人の品性を台なしにする。小さな辛抱ができなければ、大きな企画など到底できるものではない。
宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫
参考
陽貨第十七「巧言令色鮮矣仁」
これは、二つのことを述べている、と宮崎先生は解釈しているのでしょうね。
私は最初読んで、二つのことはつながっているのではないか、と読みましたが、どうもそういう解釈はないようです。
私の解釈としては、「巧言」は「きれいなだけの言葉」、ではなくて「ちょっと聞いたときには耳あたりのいい意見」というふうに捕らえました。「耳ざわりのよい言葉は、徳を乱すもとである。なぜなら、小さな事を見過ごすことができなくなって、結局大きな仕事をするのを邪魔するからである」と。
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