蜀犬 日に吠ゆ

2010-04-15

[][][][]衛霊公第十五を読む(その22) 20:43 はてなブックマーク - 衛霊公第十五を読む(その22) - 蜀犬 日に吠ゆ

仁もてこれを守る能わざれば

 衛霊公第十五(380~420)

411 子曰。知及之。仁不能守之。雖得之。必失之。知及之。仁能守之。不荘以涖之。則民不敬。知及之。仁能守之。荘以涖之。動之不以礼。未善也。

(訓)子曰く、知これに及ぶも、仁もてこれを守る能わざれば、これを得と雖も、必ずこれを失う。知これに及び、仁もて能くこれを守るも、荘にして以てこれに涖まざれば、民敬せず。知これに及び、仁もてこれを守り、荘にして以てこれに涖むも、これを動かすに礼を以てせざれば、未だ善からざるなり。

(新)子曰く、知略にすぐれても、人徳によって維持するのでなければ、一度手にいれた政権も、必ずすぐ喪失してしまうものだ。知略にすぐれ、人徳によって維持することができても、信念をもって臨むのでなければ、人民は尊敬しない。知略にすぐれ、人徳によって維持することができ、更に信念をもって臨んでも、自ら礼節に従って動作して見せなければ、画竜点睛を欠くものだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 君子の道は遠い、ということでしょうか。そもそもの「知及之」でさえも、かなりハードルとして高い。しかし、天下を平らかにするなどという大それた事業を実現するためには、個人の能力としてこれくらいは要求されてしまうのでしょう。そのほかに、すぐれた輔佐者や官吏を統率しなければならないのですから、たいへんです。