蜀犬 日に吠ゆ

2010-04-28

[][][][]季氏第十六を読む(その7) 20:08 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

君子に三戒あり

 季氏第十六(421~434)

427 孔子曰。君子有三戒。少之時。血気未定。戒之在色。及其壮也。血気方剛。戒之在鬭。及其老。血気既衰。戒之在得。

(訓)孔子曰く、君子に三戒あり。少(わか)き時は血気いまだ定まらず。これを戒むる、色にあり。其の壮なるに及んでや、血気方に剛なり。これを戒むる、鬭(とう)にあり。其の老いるに及んでや、血気すでに衰う。これを戒むる、得るにあり。

(新)孔子曰く、諸君は生涯に三つのことを警戒せねばならぬ。若い時には情緒が不安定だから、異性関係に注意せねばならぬ。壮年になっったならば、気力旺盛となりすぎるので、闘争の危険に注意せねばならぬ。年とってくると体力が衰えてしまうので、死に欲をかかぬよう戒心すべきだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 三つの戒め、というのが発達段階に応じて変わるというのが、孔子の人間観を表していて面白いとも言えます。この考えをもっと押しすすめてゆけば、人それぞれの個性によって気をつけるべきポイントは変わってくるとも言えましょう。いい歳こいて血気の定まっていない人がいれば、それはやはり色を戒めるべきであるし、若いのに血気が衰えている人は貪欲になることを戒めなければなりません。一律の規定をつくって押しつけるのではない、人というものを見続けた夫子らしい章句です。