蜀犬 日に吠ゆ

2010-05-31

[][][]古今和歌集を読む 春歌上(その1) 20:54 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 春歌上(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

春歌上

ふるとしに春たちける日よめる   在原元方

1 年の内に春はきにけり ひととせをこぞとやいはん ことしとやいはん

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

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[][][][]微子第十八を読む(その7) 20:17 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

大師摯は斉に適き

 微子第十八(461~471)

469 大師摯適斉。亜飯干適楚。三飯繚適蔡。四飯缺適秦。鼓方叔。入於河。播鼗武。入於漢。少師陽。撃磬襄。入於海。

(訓)大師摯は斉に適(ゆ)き、亜飯干は楚に適き、三飯繚は蔡に適き、四飯缺は秦に適、鼓方叔は河に入り、播鼗武は漢に入り、少師陽、撃磬襄は海に入る。

(新)(殷が滅びるとき)指揮者の大師摯は斉の国に逃げ、第二奏者の亜飯干は楚の国へ逃げ、第三奏者の三飯繚は蔡の国へ逃げ、第四奏者の四飯缺は秦へ逃げ、太鼓手の鼓方叔は黄河を渡り、鼓手の播鼗武は漢水を渡り、副指揮者の少師陽、拍子係の撃磬襄は海に乗り出して島にかくれた。。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-30

[]記憶をなくした男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その17) 19:37 はてなブックマーク - 記憶をなくした男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その17) - 蜀犬 日に吠ゆ

 ひさびさにDSのフタを開いたら、「GAME OVER」で画面が止まっていました。いつ全滅したのか憶えていない……

 王虎の月8日……

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[][][][]微子第十八を読む(その6) 17:15 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

逸民には、伯夷、叔斉、虞仲、夷逸、朱張、柳下恵、少連あり

 微子第十八(461~471)

468 逸民。伯夷。叔斉。虞仲。夷逸。朱張。柳下恵。少連。子曰。不降其志。不辱其身。伯夷叔斉与。謂柳下恵少連。降志辱身矣。言中倫。行中慮。其斯而已矣。謂虞仲夷逸。隠居放言。身中清。廃中権。我則異於是。無可不無可。

(訓)逸民には、伯夷、叔斉、虞仲、夷逸、朱張、柳下恵、少連あり。子曰く、其の志を降さず、其の身を辱めざるは、伯夷、叔斉か。柳下恵、少連を、志を降し、身を辱むるも、言は倫(みち)に中り、行いは慮に中ると謂うは、其れ斯のごときのみ。虞仲、夷逸を、隠居して放言す、身は清に中り、廃は権に中ると謂うは、我は則ち是れに異なる。可とする無く、不可とするも無し。

(新)昔から脱世間の人間には、伯夷、叔斉、虞仲、夷逸、朱張、柳下恵、少連の七人の名が伝えられている。子曰く、自分の理想を低下して妥協することなく、その身を汚すことを許さないのは、伯夷、叔斉のことだろうか。柳下恵、少連のことをば、理想を低下し、身を辱めることはあったが、言うことに道理が通り、行うことと考えることとが一致していた、とひひょうするならば、正にその通りで賛成だ。次に虞仲、夷逸のことをば、隠遁者として無責任な発言をするが、その身の行いは清潔で、世間を棄てたのもやむをえぬ臨機の処置だったと批評するならば、私はそれに異議がある。ただその行為を特に良いとも言わぬし、特に悪いとも言わぬだけだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-29

[][][]古今和歌集を読む 仮名序(その7) 17:15 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 仮名序(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

 古今集仮名序

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[][][]葛覃(葛延びて)『周南』を読む(その2) 21:35 はてなブックマーク - 葛覃(葛延びて)『周南』を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

 周南、第二歌。

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[][][][]微子第十八を読む(その5) 20:58 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その5) - 蜀犬 日に吠ゆ

道の行われざるは、已にこれを知れり

 微子第十八(461~471)

467 子路従而後。遇丈人以杖荷蓧。子路問曰。子見夫子乎。丈人曰。四体不動。五穀不分。孰為夫子。植其杖而芸。子路拱而立。止子路宿。殺雞為黍而食之。見其二子焉。明日子路行以告。子曰。隠者也。使子路反見之。至則行矣。子(路)曰。不仕無義。長幼之節。不可廃也。君臣之義。如之何其廃之。欲潔其身而乱大倫。君子之仕也。行義也。道之不行。已知之矣。

(訓)子路、従って後る。丈人の杖を以て蓧を荷うに遇う。子路問うて曰く、子は夫子を見たるか。丈人曰く、四体ありて勤めず、五穀分かたず、孰をか夫子と為すや、と。其の杖を植てて芸(くさぎ)る。子路拱して立つ。子路を止めて宿せしめ、雞(にわとり)を殺し黍(きびめし)を為(つく)りて之に食わしめ、其の二子を見(まみえ)しむ。明日子路行り、以て告ぐ。子曰く、隠者なり、と。子路をして反りてこれを見しむ。至れば則ち行れり。子曰く、仕えざるは義なし。長幼の節、廃すべからざるならば、君臣の義は、これを如何ぞ其れこれを廃せん。其の身を潔くせんと欲して大倫を乱る。君子の仕うるや、其の義を行わんとするなり。道の行われざるは、已にこれを知れり。

(新)子路が孔子に従行して、後にとりのこされた。追いかけて行く途で老人が杖に丈の蓧(かご)を下げて荷(にな)っているのに出会ったので尋ねた。貴方は私の先生に遇いませんでしたか。老人曰く、身体の労働をしたことがなく、五穀の見さかいもない者が、何で先生なものか、と言って杖を地面に立てて、草をむしり出した。子路は両手を組んで敬意を表しながら、老人と立ち話を始めた。老人は子路をひきとめ、家へつれ帰って泊らせ、雞を殺し、黍の飯をつくって御馳走をし、二人の子供を紹介した。明日子路は立ち去って孔子に追いついて、このことを話した。子曰く、隠者だな、(それなら言うことがある)と。子路に命(いい)つけて、もう一度たち戻って面会してこいと言った。子路がその家へ行って見ると、もう行方知れずであった。孔子が子路に言わせようとしたのは次の通りであった。曰く、宮仕えしないという主張には何も根拠がない。尊長と卑幼との間の序列は無視することができぬ。(現に子路は貴方を老人の故に尊敬し、貴方はまた二子を年長の子路に引合わせて敬意を表せしめたではないか。)それと同じように、君主と臣下との関係は、無視しようとしても無視できないものだ。貴方は一身を清くしようと思うあまり、無視することのできぬ大事な人間関係を強いて無視しようとなされる。我々の仲間が君主を求めて宮仕えしようとするのは、人間たる者の義務を行おうとするのである。ただその理想がすぐ実現できないものであることぐらいは、万々承知の上だ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-28

[][][][]微子第十八を読む(その4) 19:36 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

鳥と獣とは与に羣を同じくすべからず

 微子第十八(461~471)

466 長沮桀溺。耦而耕。孔子過之。使子路問津焉。長沮曰。夫執輿者為誰。子路曰。為孔丘。曰。是魯孔丘与。曰。是也。曰。是知津矣。問於桀溺。桀溺曰。子為誰。曰。為仲由。曰。是魯孔丘之徒与。対曰。然。曰。滔滔者。天下皆是也。而誰以易之。且而与其従辟人之士也。豈若従辟世之士哉。耰而不輟。子路行以告。夫子憮然曰。鳥獣不可与同羣。吾非斯人之徒。与而誰与。天下有道。丘不与易也。 

(訓)長沮と桀溺と耦して耕す。孔子これを過(よぎ)り、子路をして津(しん)を問わしむ。長沮曰く、夫の輿(たづな)を執る者は誰とか為す。子路曰く、孔丘たり。曰く、是れ魯の孔丘か。曰く、是れなり。曰く、是れならば津を知れり。桀溺に問う。桀溺曰く、子は誰とか為す。曰く、仲由たり。曰く、是れ魯の孔丘の徒か。対えて曰く、然り。曰く、滔滔たる者は、天下皆な是れなり。而して誰か以てこれに易(たが)わん。且つ而(なんじ)は人の辟(さ)くるの士に従わんよりは、豈に世を辟くるの士に従うに若かんや、と。耰(ゆう)して輟(や)めず。子路行(さ)りて以て告ぐ。孔子憮然として曰く、鳥と獣とは与に羣を同じくすべからず。吾は斯の人の徒と与にするに非ずして、誰と与にせん。吾は斯の人の徒に非ず。而と与に誰に与(くみ)せん。天下に道あれば、丘は与に易えざるなり。天下の有道には、丘は与し易(たが)わざるなり。

(新)長沮と桀溺とが二人一組になって耕作していた。孔子がそこを通りかかり、(常人でないのを察し、用もないのにわざと)子路に命(いい)つけて渡し場のありかを尋ねさせた。長沮曰く、あの輿(たづな)を握っている男は誰だ。子路曰く、孔丘という者です。曰く、魯国の孔丘だね。曰く、その通り。曰く、そんなら教えないでも知ってる人だ。こんどは桀溺に尋ねた。桀溺曰く、君は誰だ。曰く、仲由という者です。曰く、すると魯の孔丘の仲間だな。曰く、その通り。曰く、滔滔として大勢に順応する者は、天下にいっぱい満ち満ちている。それに逆らおうとするのは誰だろう。君もその一人らしいが、人間ぎらいの孔丘の仲間でいるよりは、いっそこの世間ぎらいの我々の仲間に入ってはどうだ。といったまま、長沮が土を掘ったあとへ種を蒔く手をやめなかった。子路が帰ってきて報告した。孔子はしんみりとしていった。鳥と獣とはいっしょに群をつくることはできない。私はあの人たちと仲間になりたくてもなれない。古い言葉に、而とともに誰の仲間になろうか、とあるが、(私は人間ぎらいどころではない。)天下の有道者からは、私は決して離れて行かぬつもりだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-27

[][]マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』早川書房 22:07 はてなブックマーク - マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』早川書房 - 蜀犬 日に吠ゆ

 はやり者、fever には必ず手を出す、介入するという「醫王の誓い」をたてている母里でございますので、さっそく本屋に走って購入。

 はまぞう売れ筋ですのでワンクリック。

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[][][]清水義範『目からウロコの世界史物語』集英社文庫 00:11 はてなブックマーク - 清水義範『目からウロコの世界史物語』集英社文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 読んでいるうちに日付またいでしまいました。

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2010-05-25

[][]助けて、ヘファイスティオン!~~岩明均『ヒストリエ』6 講談社 19:32 はてなブックマーク - 助けて、ヘファイスティオン!~~岩明均『ヒストリエ』6 講談社 - 蜀犬 日に吠ゆ

 表紙もですが、中身もアレクサンドロスが主人公になってしまいました。

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[][][][]微子第十八を読む(その3) 20:06 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

楚の狂接輿歌って孔子を過り

 微子第十八(461~471)

465 楚狂接輿。歌而過孔子曰。鳳兮鳳兮。何徳之衰。往者不可諫。来者猶可追。已而已而。今之従政者殆而。孔子下欲与之言。趨而辟之。不得与之言。

(訓)楚の狂、接輿、歌って孔子を過(よぎ)りて曰く、鳳や鳳や、何ぞ徳の衰えたる。往きし者は諫むるべからず、来る者は猶お追うべし。已まんのみ已まんのみ。今の政に従う者は殆し。孔子下りてこれと言わんと欲す。趨りてこれを辟(さ)け、これと言うを得ざりき。

(新)楚国の変り者の接輿が、歌いながら孔子の門に立ち寄った。曰く、鳳凰が来たとき、鳳凰が来たとき。こんな衰えた世に、何しに来た。過ぎ去ったことは手直しがきかぬ。これからのことなら、まだ間にあう。よしたがよい、よすがよい。政治などに手出しをすると、ろくなことはない。孔子がそれを耳にし、もっと話を聞こうと、堂から下りて門前に出たが、接輿はもう小走りに足を早めて立ち去ったあとで、つかまらなった。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-24

[]白鯨をなくした男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その16) 20:57 はてなブックマーク - 白鯨をなくした男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その16) - 蜀犬 日に吠ゆ

 いやあ、白鯨を殺す算段を建てるために物置に行ってきたのですが、メルヴィル『白鯨』新潮文庫 が下巻しかありません。

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2010-05-23

[]白鯨に勝てない男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その15) 20:57 はてなブックマーク - 白鯨に勝てない男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その15) - 蜀犬 日に吠ゆ

 あんまりこんなことはしたくないのですが、全滅の回数がかさんでくるとつい、攻略wiki にアクセスしてしまうのです。

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[][][]古今和歌集を読む 仮名序(その6) 15:35 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 仮名序(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

 古今集仮名序

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[][][]關雎 14:48 はてなブックマーク - 關雎 - 蜀犬 日に吠ゆ

 「周南を読まないと頭がつかえたままじゃよ」と孔夫子が言うので読みます。

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[][][][]微子第十八を読む(その2) 11:34 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

柳下恵は士師と為り三たび黜けらる

 微子第十八(461~471)

462 柳下恵為士師。三黜。人曰。子未可以去乎。曰。直道而事人。焉往而不三黜。枉道而事人。何必去父母之邦。

(訓)柳下恵は士師と為り、三たび黜(しりぞ)けらる。人曰く、子は未だ以て去るべからざるか。曰く、直道もて人に事えば、焉んぞ往くとして三たび黜けられざらんや。枉道もて人に事えば、何ぞ必ずしも父母の邦を去らん。

(新)柳下恵は裁判官に任命されたが、罷免され、同じことを三度繰りかえした。ある人が言った。こんなことなら他国へ行って仕えた方がよくはありませんか。曰く、正しい主義を曲げないで宮仕えすれば、どの国へ往っても免職を繰りかえすことは同じでしょう。主義を曲げて仕えるつもりなら、どこの国に仕えても勤まります。折角生れついた父母の邦を去って、どこへ行けばいい所があるというのでしょうか。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-22

[]白鯨に人生を呑み込まれた男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その1416:24 はてなブックマーク - 白鯨に人生を呑み込まれた男~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その14) - 蜀犬 日に吠ゆ

 ようやく気づきました。ホシノミヤ博士(ファーマー)にはコモンスキル「ききかじり」を習得させておくべきだったのです! 何遍の夜を、何遍の昼を、無駄にしてしまったことでしょう。もう天牛月16日ですよ!

 海王ケトスへの勝算は0.001%!

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[][][][]微子第十八を読む(その1) 16:08 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

 以下の三篇、すなわち微子第十八、子張第十九、堯曰第二十、いずれもこれまでの篇とは異なった特殊な内容をもち、全書の附録であるごとく感ぜられる。

 うちまずこの微子篇の特殊さは、「子曰わく」で始まるものが一章もないことである。中ほどの第三章から第七章までは、孔子の伝記の何節かをしるすものであり、いずれも、孔子がその周辺との間にもった矛盾、またそれによって生まれた不遇を、主題とする。その前後には、古今の人物に関する章があり、そのあるものは、極度に断片的であるが、いずれも孔子が好意を寄せた人物のように感ぜられる。つまり孔子と矛盾しない人物についての記述である。

 なににしても、孔子の思想を、直接に記録するよりも、孔子の周辺についての記述のあつまりである点が、この篇の特殊さである。

 この篇の編者は、周囲との矛盾に耐えて生きた孔子の伝記を、いくつかの挿話によって記すとともに、その矛盾の克服のために、孔子のはげましとなったであろう過去の人物、また同時代の人物についての記録をも、あわせしるしたのであろう。

吉川幸次郎『論語』下 朝日選書

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2010-05-21

[][][]古今和歌集を読む 仮名序(その5) 15:20 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 仮名序(その5) - 蜀犬 日に吠ゆ

 古今集仮名序

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[][][][]陽貨第十七を読む(その16) 21:01 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その16) - 蜀犬 日に吠ゆ

君子は義、もって上と為す

 陽貨第十七(435~460)

457 子路曰。君子尚勇乎。子曰。君子義以為上。君子有勇而無義為乱。小人有勇而無義為盗。

(訓)子路曰く、君子は勇を尚(とうと)ぶか。子曰く、君子は義、もって上と為す。君子、勇ありて義なければ乱を為し、小人、勇ありて義なければ盗を為す。

(新)子路曰く、先生は勇気を大事なこととお考えですか。子曰く、諸君はそれよりも、やっていいか悪いかの判断力の方を尊重してもらいたい。諸君がもし勇気だけあってその判断力を欠けば武闘を始めるようになるだろうし、ましてや諸君に及ばぬ人たちが勇気だけあって、判断力を欠けば盗賊をもやりかねない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-20

[][][][]陽貨第十七を読む(その15) 20:48 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その15) - 蜀犬 日に吠ゆ

博奕なるものあらずや

 陽貨第十七(435~460)

456 子曰。飽食終日。無所用心。難矣哉。不有博奕者乎。為之猶賢乎已。

(訓)子曰く、飽食して日を終え、心を用うる所なし。難いかな。博奕なるものあらずや。これを為すは猶お已むに賢(まさ)れり。

(新)子曰く、腹いっぱい食べて一日中、頭を働かせることのない人は、問題にもならぬ人間だ。博奕なという勝負ごとの遊戯があるだろう。あれをしてでも遊ぶほうが、まだ何もしないよりはましだろうな。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-19

[][][][]陽貨第十七を読む(その1419:29 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その14) - 蜀犬 日に吠ゆ

三年の喪は、期して已に久し

 陽貨第十七(435~460)

455 宰我問。三年之喪。期已久矣。君子三年不為礼。礼必壌。三年不為楽。楽必崩。旧穀既没。新穀既升。鑽燧改火。期可已矣。子曰。食夫稲。衣夫錦。於女安乎。曰。安。女安則為之。夫君子之居喪。食旨不甘。聞楽不楽。居処不安。故不為也。今女安。則為之。宰我出。子曰。予之不仁也。子生三年。然後免於父母之懐。夫三年之喪。天下之通喪也。予也有三年之愛其父母乎。

(訓)宰我問う。三年の喪は、期して已に久し。君子、三年礼を為さざれば、礼必ず壌(やぶ)れん。三年楽を為さざれば、楽必ず崩れん。旧穀既に没(つ)きて、新穀既に升(みの)る。燧(すい)を鑽(き)り火を改め、期にして已むべし。子曰く、夫(か)の稲を食い、夫の錦を衣(き)る、女(なんじ)において安きか。曰く、安し。(曰く)女安ければこれを為せ。夫れ君子の喪に居るや、旨きを食えども甘からず、楽を聞けども楽しからず、居処して安からず、故に為さざるなり。今女安ければこれを為せ。宰我出づ。子曰く、予の不仁なるや。子生れて三年、然る後に父母の懐より免がる。夫れ三年の喪は天下の通喪なり。予や、其の父母において三年の愛あるか。

(新)宰我が尋ねた。親に対する三年の喪というのは、一年すんでから更にずっと先まで続きます。為政者が三年間も喪に服して、礼式を行わずにおれば礼式が壊れてしまい、三年音楽を行わずにおれば音楽も駄目になってしまいましょう。前年の穀物が消費された頃には、今年の新穀が丁度よく稔りをつげます。燧石を鑽って新しい火をつけ、古い火に代えて用いるのも一年ごとですから、喪においても期、すなわち一年でやめた方がよくはありませんか。子曰く、親が死んで一年たったら、旨い米を食べ、美しい着物を着る普通の生活に返って、それでお前は気が咎めないかね。曰く、別に何ともありません。子曰く、お前が何とも思わぬなら、好きなようにするがよい。いったい昔の人は喪に服している間は、旨いものを食べても味がなく、音楽を耳にしても楽しくなく、安逸に耽ろうとしても気が気でないから、始めからそういうことをしないのだ。ところがお前はそれで別になんともないなら、好きにするがよい。宰我が退出した。子曰く、宰予は何と不人情な男だ。子供は生まれてから三年たって、やっと父母の懐から離れる。だから父母のために三年の喪に服するのは、天下の至るところで通用している原則だ。宰予はその父母に対して、三年の恩を返す人情がないのだろうか。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-18

[]モビィ・ディック?~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その13) 21:57 はてなブックマーク - モビィ・ディック?~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その13) - 蜀犬 日に吠ゆ

 海珠を潮の渦に入れると潮の流れが止まる。そこで探索再開。

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[][][][]陽貨第十七を読む(その13) 19:11 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その13) - 蜀犬 日に吠ゆ

孺悲、孔子に見えんと欲す

 陽貨第十七(435~460)

454 孺悲欲見孔子。孔子辞以疾。将命者出戸。取瑟而歌。使之聞之。

(訓)孺悲、孔子に見えんと欲す。孔子、辞するに疾を以てす。命を将(おこな)う者、戸を出づ。瑟を取りて歌い、これをしてこれを聞かしむ。

(新)孺悲が孔子に面会を求めて来た。孔子は病中であるから、と口実を設けて断わった。取次の者が孔子の部屋を立ち去るや否や、大きな琴をひきよせてかきならし、表まで聞こえよがしに高い声でそれにあわせて歌ってみせた。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-17

[][][][]陽貨第十七を読む(その12) 20:09 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

予れは言うこと無からんと欲す

 陽貨第十七(435~460)

453 子曰。予欲無言。子貢曰。子如不言。則小子何述焉。子曰。天何言哉。四時行焉。百物生焉。天何言哉。

(訓)子曰く、予れは言うこと無からんと欲す。子貢曰く、子もし言わずんば、小子何をか述べん。子曰く、天何をか言わんや。四時行われ、百物生ず。天何をか言わんや。

(新)子曰く、私はもう物を言うまいかな。子貢曰く、先生が物を仰らねば、私どもは何と言って弟子たちに取次ぎましょうか。子曰く、天を見たまえ、何も言わぬ。それでいて、四時は滞りなく運行するし、万物はちゃんと生育している。天は何も物言わぬではないか。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-16

[][][][]陽貨第十七を読む(その11) 19:12 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その11) - 蜀犬 日に吠ゆ

紫の朱を奪うを悪む

 陽貨第十七(435~460)

452 子曰。悪紫之奪朱也。悪鄭声之乱雅楽也。悪利口之覆邦家者。

(訓)子曰く、紫の朱を奪うを悪む。鄭声の雅楽を乱すを悪む。利口の邦家を覆す者を悪む。

(新)子曰く、紫が朱だと思われて通っていることがあるから警戒せよ。鄭国の淫らな俗曲が、礼式に用いる雅楽の中に混じりこんでいることがある。口達者な人間が国家を滅ぼしかけながら忠信らしく振舞っていることもあるぞ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-15

[][][][]陽貨第十七を読む(その10) 21:59 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その10) - 蜀犬 日に吠ゆ

徳をこれ棄つる

 陽貨第十七(435~460)

449 子曰。道聴而塗説。徳之棄也。

(訓)子曰く、道すがら聴きて、塗すがら説くは、徳をこれ棄つるなり。

(新)子曰く、人にいま聞いてきたことを、すぐ自分の説として吹聴するのは、向上心をすてた人のすることだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-14

[]フレッシュエアマニア 20:26 はてなブックマーク - フレッシュエアマニア - 蜀犬 日に吠ゆ

 「フレッシュエアマニア」をキーワード化したいのですが、「フレッシュエアマニア」全部では長すぎますし、どこで切っていいのか分かりません。英語だと fresh air craze で、ますます混乱。

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[][][][]陽貨第十七を読む(その9) 19:39 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その9) - 蜀犬 日に吠ゆ

郷原は徳の賊

 陽貨第十七(435~460)

448 子曰。郷原。徳之賊也。

(訓)子曰く、郷原は徳の賊なり。

(新)子曰く、誉められ者になろうとしている青年ほど鼻もちならぬ偽者はない。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-13

[][][][]陽貨第十七を読む(その8) 20:26 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その8) - 蜀犬 日に吠ゆ

人にして周南・召南を為めざれば

 陽貨第十七(435~460)

444 子謂伯魚曰。女為周南召南矣乎。人而不為周南召南。其猶正牆面而立也乎。

(訓)子、伯魚に謂いて曰く、女は周南・召南を為(おさ)めたるか。人にして周南・召南を為めざれば、其れ猶お正しく牆面して立つがごときが。

(新)孔子が子の伯魚に向って言った。お前は詩経の周南・召南の部分を学んだか。人間として周南・召南を学んだこともないようでは、壁に額をぶつけて動けないでいるようなものだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-12

[][][][]陽貨第十七を読む(その7) 20:39 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

何ぞ夫の詩を学ぶ莫きや

 陽貨第十七(435~460)

443 子曰。小子何莫学夫詩。詩可以興。可以観。可以羣。可以怨。邇之事父。遠之事君。多識於鳥獣草木之名。

(訓)子曰く、小子、何ぞ夫(か)の詩を学ぶ莫きや。詩は以て興すべく、以て観るべく、以て羣すべく、以て怨むべし。これを邇(ちか)くしては父に事え、これを遠くしては君に事え、多く鳥獣草木の名を識る。

(新)子曰く、君たちは是非、詩を学ぶがよい。詩を学ぶと、先ず学問に対する興味をかきたてられ、能率をあげることができ、共同作業を覚え、正義感を養うことができる。身近なところでは親に仕え、世の中に出ては君に仕えるときに役立ち、詩の中に出てくる鳥獣草木の名で、博物学の知識が獲られる。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-11

[][][][]陽貨第十七を読む(その6) 20:22 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

六言六蔽

 陽貨第十七(435~460)

442 子曰。由也。女聞六言六蔽矣乎。対曰。未也。居。吾語女。好仁不好学。其蔽也愚。好知不好学。其蔽也蕩。好信不好学。其蔽也賊。好直不好学。其蔽也絞。好勇不好学。其蔽也乱。好剛不好学。其蔽也狂。

(訓)子曰く、由や、女(なんじ)は六言六蔽を聞けるか。対えて曰く、未だし。(子曰く、)居れ、吾、女に語(つ)げん。仁を好んで学を好まざれば、其の蔽や愚。知を好みて学を好まざれば、其の蔽や蕩。信を好みて学を好まざれば、其の蔽や賊。直を好みて学を好まざれば、其の蔽や絞。勇を好みて学を好まざれば、其の蔽や乱。剛を好みて学を好まざれば、其の蔽や狂なり。

(新)子曰く、由や、お前は六つの害を示す六つの言葉を聞いたことがあるかね。対えて曰く、まだです。曰く、そうか、そんなら話してやろう。仁の徳を行おうとしても学問をしてなければ、その害として馬鹿にされる。知を尚んでも学問をしてなければ、その害として自信過剰におちいる。信義を重んずるだけで学問をしてなければ、その害として傷つけあう。正直一途なだけで学問をしてなければ、その害として孤立に陥る。勇気に走って学問をしてなければ、その害として自暴自棄になる。強気一本で学問をしてなければ、その害として人間嫌いになる。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-10

[]何か神々しい奴が敵~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その12) 21:10 はてなブックマーク - 何か神々しい奴が敵~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

 元老院のバーちゃんは「想定内」という感じだったのが恐ろしい。

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[][][][]陽貨第十七を読む(その5) 19:31 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その5) - 蜀犬 日に吠ゆ

仏肸、子を召す

 陽貨第十七(435~460)

441 仏肸召子。欲往。子路曰。昔者由也。聞諸夫子。曰。親於其身為不善者。君子不入也。仏肸以中牟畔。子之往也。如之何。子曰。然。有是言也。不曰堅乎。磨而不磷。不曰白乎。涅而不緇。吾豈匏瓜也哉。焉能繋而不食。

(訓)仏肸(ひつきつ)、子を召すに往かんと欲す。子路曰く、昔は由や、これを夫子に聞けり。曰く、親(みず)から其の身に不善を為す者には、君子は入らざるなり、と。仏肸、中牟(ちゅうぼう)を以て畔(そむ)く。子の往かんとするや、これを如何せん。子曰く、然り。是の言あるなり。堅きを曰わずや、磨すれど磷(すりへ)らず、と。白きを曰わずや、涅(ぬ)れども緇(くろ)まず、と。吾、豈に匏瓜(ほうこ)ならんや。焉んぞ能く、繋(かか)りて食われざらんや。

(新)仏肸なる者が孔子を招いたので、孔子が往きかかった。子路曰く、以前に私は先生から承りましたが、自分から進んで不善を為す者とは、諸君は決して仲間になるでない、とのことでした。仏肸は中牟の邑に拠って叛乱を起している所へ、先生が往かれるとは、どうしたことでしょうか。子曰く、そうだ、確かにそう言った。だが別の考えようもある。堅いことを形容する言葉に、いくら磨いてもすりへらぬ、というのがあり、白いことを形容する言葉に、いくら墨を塗っても黒く染まらぬ、というのがある。その続きに、匏瓜(ひょうたん)のように味のないことを形容して、ぶらりとさがったまま食われない、とうのがあるが、君の言うようにすれば、私はまるで匏瓜のような役立たずということかね。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-09

[][][][]陽貨第十七を読む(その4) 20:30 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

子張仁を問う

 陽貨第十七(435~460)

440 子張問仁於孔子。孔子曰。能行五者於天下為仁矣。請問之。曰。恭寛信敏恵。恭則不侮。寛則得衆。信則人任焉。敏則有功。恵則足以使人。

(訓)子張、仁を孔子に問う。孔子曰く、能く五者を天下に行うを仁と為す。これを請い問う。曰く、恭・寛。信・敏・恵なり。恭なれば侮られず。寛ならば衆を得。信なれば人、これに任ず。敏なれば功あり。恵あれば以て人を使うに足る。

(新)子張が仁とは何かを孔子に尋ねた。孔子曰く、五つのことを広く天下に実施したなら仁者と言える。(子張曰く)それを詳しく承りたく存じます。曰く、五つとは、恭・寛・信・敏・恵のことだ。自身が恭倹に慎めば他から侮られない。他人を寛大に取扱えば、多勢がついてくる。信用を重んずれば人が仕事を任せてくれる。敏捷に働けば能率があがる。恩恵をたれる人であって始めて他人に命令して動かすことができる。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-08

[][][][]陽貨第十七を読む(その3) 21:38 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

公山弗擾、費以て畔き子を召す

 陽貨第十七(435~460)

439 公山弗擾。以費畔。召子。欲往。子路不説曰。末之也已。何必公山氏之之也。子曰。夫召我者。而豈徒哉。如有用我者。吾其為東周乎。

(訓)公山弗擾、費以て畔(そむ)き子を召す。往かんと欲す。子路、説(よろこ)ばずして曰く、之(ゆ)く末(な)からんのみ。何ぞ必ずしも公山氏にこれ之かんや。子曰く、夫れ我を召す者は、豈に徒(いたず)らのみならんや。如し我を用うる者あらば、吾は其れ東周と為さんか。

(新)公山弗擾なる者が費の邑に拠って叛乱を起し、孔子を招いた。孔子が往こうとした。子路は不賛成を唱えて言った。行くには及ばないでしょう。何故、選りに選って公山弗擾などを助けに行くのですか。子曰く、私を見込んで招くからには、きっとそれだけの理由があるに違いない。本当に私の言うことに従うなら、私はそれを東周再興のように仕立てて見せるのだが。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-07

[][][][]陽貨第十七を読む(その2) 19:07 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

性、相い近し

 陽貨第十七(435~460)

436 子曰。性相近也。習相遠也。

(訓)子曰く、性、相い近し。習い相い遠し。

(新)子曰く、生れつきは互いに似たものだが、習慣によって人間がすっかり変わってくる。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-06

[][][]古今和歌集を読む 仮名序(その4) 21:05 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 仮名序(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

 古今集を読む。

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[][][][]陽貨第十七を読む(その1) 20:39 はてなブックマーク - 陽貨第十七を読む(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

陽貨、孔子を見んと欲す

 陽貨第十七(435~460)

435 陽貨欲見孔子。孔子不見。帰孔子豚。孔子時其亡也。而往拝之。遇諸塗。謂孔子曰。来。予与爾言。曰懐其宝而迷其邦。可謂仁乎。曰不可。好従事而亟失時。可謂知乎。曰不可。日月逝矣。歳不我与。孔子曰。諾。吾将仕矣。

(訓)陽貨、孔子を見んと欲す。孔子見えず。孔子に豚を帰(おく)る。孔子其の亡きを時として往いて拝す。これに塗に遇う。孔子に謂いて曰く、来れ、予れ爾と言わん。其の宝を懐きて其の邦を迷わすは、仁と謂うべきかと曰わば、不可なりと曰わん。事に従うを好みて、亟(しばし)ば時を失うを、知と謂うべきかといわば、不可なりと曰わん。日月は逝く、歳は我と与にせず、とあり。孔子曰く、諾、吾れ将に仕えんとす。

(新)魯の季氏の家臣で権力者の陽貨が孔子に会見を求めたが孔子は会いに行かなかった。そこで孔子に豚を贈った。孔子はわざとその留守を伺って返礼に行ったが、あいにく途中でぶつかった。陽貨が曰く、丁度よかった。君に話したいことがある。大切な宝を持ちぐされにして、国人が戸惑っているのを放っておくのは、仁の道に叶っているかと聞かれたら、そうではないと答える外ないだろう。本当は政治が好きでありながら、何度も出番を失うのは、知者のすることかと聞かれたら、そうではない、と答える外ないだろう。月日はどんどん過ぎ去る、歳月は人を待たない、という言葉をどうお考えか。孔子曰く、もうよい。私も仕官しようか。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-05

[][][][]季氏第十六を読む(その1419:17 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その14) - 蜀犬 日に吠ゆ

邦君の妻

 季氏第十六(421~434)

434 邦君之妻。君称之曰夫人。夫人自称曰小童。邦人称之曰君夫人。称諸異邦曰寡小君。異邦人称之亦曰君夫人。

(訓)邦君の妻は、君よりこれを称して夫人と曰い、夫人自ら称して小童と曰い、邦人これを称して君夫人という。諸を異邦に称して寡小君と曰い、異邦人がこれを称するにも、亦た君夫人と曰う。

(新)大名の妻を、夫がよぶには夫人といい、夫人自らは小童ととなえる。人民はこれを君夫人とよび、他国に対する時は寡小君といい、他国からよぶ時にはやはり君夫人と称する。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-04

[]まだ浅いよ!~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その10) 20:19 はてなブックマーク - まだ浅いよ!~~『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その10) - 蜀犬 日に吠ゆ

 遂に、深きものどもが姿を顕現。

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[][][]古今和歌集を読む 仮名序(その3) 20:12 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 仮名序(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

 古今集を読む。

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[][][][]季氏第十六を読む(その13) 18:54 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その13) - 蜀犬 日に吠ゆ

問一得三

 季氏第十六(421~434)

433 陳亢問於伯魚曰。子亦有異聞乎。対曰。未也。嘗独立。鯉趨而過庭。曰。学詩乎。対曰。未也。不学詩。無以言。鯉退而学詩。他日又独立。鯉趨過庭。曰。学礼乎。対曰。未也。不学礼。無以立。鯉退而学礼。聞斯二者。陳亢退而喜曰。問一得三。聞詩聞礼。又聞君子之遠其子也。

(訓)陳亢、伯魚に問うて曰く、子も亦た異聞あるか。対えて曰く、未だし。嘗て独り立つ。鯉、、趨りて庭を過ぐ。曰く、詩を学びたるか。対えて曰く、未だし。(曰く)詩を学ばざれば、以て言うなし、と。鯉、退いて詩を学ぶ。他日又た独り立つ。鯉、趨りて庭を過ぐ。曰く、礼を学びたるか。対えて曰く、未だし。(曰く)礼を学ばざれば、以て立つなし、と。鯉、退いて礼を学べり。斯の二者を聞く。陳亢退き、喜んで曰く、一を問うて三を得たり。詩を聞き礼を聞き、又た君子の其の子を遠ざくるを聞けり。

(新)陳亢が孔子の子の伯魚(鯉)に尋ねた。先生について何か珍しい話題をお持ちですか。対えて曰く、それほどのことでもありませんが、先日父がひとりでほんやり立っていました。私がその前の庭を小走りで通りすぎました。詩を勉強したか、と聞かれましたので、まだです、と答えますと、詩を習わねば、物いうすべを知らぬぞ、と言われました。そこで私は自分で詩の勉強をしました。その後また父がひとりぼんやり立っていました。私がその前の庭を小走りで通りすぎました。礼を勉強したか、と聞かれましたので、まだです、と答えますと、礼を習わねば世間で一人前とされぬぞ、と言われました。そこで私は自分で礼の勉強をしました。このくらいのことです。陳亢は退出してから大喜びで話した。一つの質問で三つの知識を得た。詩のことを知り、礼のことを知り、先生は自分の子に手をとって教えないことを知った。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-03

[][][]古今和歌集を読む 仮名序(その2) 21:00 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 仮名序(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

 古今集を読む。

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[]『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その9) 20:47 はてなブックマーク - 『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』ATLUS(その9) - 蜀犬 日に吠ゆ

 迷宮に潜り始めてから、すでに一ヶ月が経過してしまいました。「皇帝ノ月1日」から、すでに「笛鼠ノ月」へ。

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[][][][]季氏第十六を読む(その12) 16:38 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

斉の景公には馬千駟あり

 季氏第十六(421~434)

432 (誠不以富。亦祇以異。)斉景公有馬千駟。死之日。民無徳而称焉。伯夷叔斉。餓于首陽之下。民到于今称之。其斯之謂与。

(訓)(誠に富を以てせず。亦た祇だ異を以てするのみ、とあり。)斉の景公には馬千駟あり。死するの日、民、徳として称するなし。伯夷、叔斉は首陽の下に餓う。民、今に到るまでこれを称す。其れ、斯の謂いか。

(新)誠に富は万能でない。その他にも大事なものがある、という古語がある。斉の景公は個人の財産として馬四千頭もあった。死んだ時、誰ひとりその恩をたたえる者がなかった。周の初めの伯夷、叔斉は首陽山の麓で餓死したが、天下の人民は現今に到るまで、その徳をたたえてやまぬ。古語は正にこのことをいっているのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-02

[][][][]季氏第十六を読む(その11) 17:29 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その11) - 蜀犬 日に吠ゆ

善を見ては及ばざるが如く

 季氏第十六(421~434)

431 孔子曰。見善如不及。見不善如探湯。吾見其人矣。吾聞其語矣。隠居以求其志。行義以達其通。吾聞其語矣。未見其人也。

(訓)孔子曰く、善を見ては及ばざるが如くし、不善を見ては湯に探るが如くす。吾れ其の人を見たり。吾れ其の語を聞けり。隠居して以てその志を求め、義を行いては以て其の道を達す。吾れその語を聞けり。未だ其の人を見ざるなり。

(新)孔子曰く、善を行う機会があれば、のがれられはせぬかと恐れるようにとびつく。不善を行う誘惑があれば、熱湯の中から物を取り出すときのように急いで手をひっこめる。そういう人間は私もこの目で見とどけたことがある。なおその他にも居るという話を聞いている。だが、ひっそりと暮して自分の生き方を生きる、正道をふんで自分のやり方に満足する、そういう人はこの世にいるという話は聞いているが、まだ実際に会った。ことがない

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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2010-05-01

[][][][]季氏第十六を読む(その10) 22:36 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その10) - 蜀犬 日に吠ゆ

君子に九つの思いあり

 季氏第十六(421~434)

430 孔子曰。君子有九思。視思明。聴思聡。色思温。貌思恭。言思忠。事思敬。疑思問。忿思難。見得思義。

(訓)孔子曰く、君子に九つの思いあり。視るには明を思い、聴くには聡を思い、色は温を思い、貌は恭を思い、言は忠を思い、事は敬を思い、疑いには問うを思い、忿りには難を思い、得るを見ては義を思う。

(新)孔子曰く、諸君に九つの心掛けを注文したい。物を見るには細かい所まで見届け、聞く時ははっきりと、顔付きはおだやかに、身ぶりはつつましく、物言うときは真心こめて、仕事をするには注意深く、分らない点は質問を怠らず、腹がたっても後難を考え、最後に一番大事なのは、利益を前にしてそれが正当かどうかを一度考えてみることだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

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