蜀犬 日に吠ゆ

2010-05-03

[][][][]季氏第十六を読む(その12) 16:38 はてなブックマーク - 季氏第十六を読む(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

斉の景公には馬千駟あり

 季氏第十六(421~434)

432 (誠不以富。亦祇以異。)斉景公有馬千駟。死之日。民無徳而称焉。伯夷叔斉。餓于首陽之下。民到于今称之。其斯之謂与。

(訓)(誠に富を以てせず。亦た祇だ異を以てするのみ、とあり。)斉の景公には馬千駟あり。死するの日、民、徳として称するなし。伯夷、叔斉は首陽の下に餓う。民、今に到るまでこれを称す。其れ、斯の謂いか。

(新)誠に富は万能でない。その他にも大事なものがある、という古語がある。斉の景公は個人の財産として馬四千頭もあった。死んだ時、誰ひとりその恩をたたえる者がなかった。周の初めの伯夷、叔斉は首陽山の麓で餓死したが、天下の人民は現今に到るまで、その徳をたたえてやまぬ。古語は正にこのことをいっているのだ。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 288の最後の二句はこの条の初めに置かるべきものである。更にこの条のどこかに、子曰、の二字が落ちたと思われる。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫