蜀犬 日に吠ゆ

2010-05-25

[][]助けて、ヘファイスティオン!~~岩明均『ヒストリエ』6 講談社 19:32 はてなブックマーク - 助けて、ヘファイスティオン!~~岩明均『ヒストリエ』6 講談社 - 蜀犬 日に吠ゆ

 表紙もですが、中身もアレクサンドロスが主人公になってしまいました。

 しかしこのペースではおそらく30巻とか40巻とかの内容になりそうで、しかも著者のライフワーク的な、諸星先生の『西遊妖猿伝』とか山口先生の『シグルイ』とか、そういう路線に行きそうな気配がプンプンします。そうなると、だんだんついていけなくなるんですよねえ。尾田先生なんて実質デビュー作に近い『ONE PIECE』がまさにそれで、しかも他の漫画はほとんど書いていないのですからすごいなあ。

 話は、エウメネスが鐙を作製し、アレクサンドロスが学友達と学ぶ「ミエザ」がいよいよ開校し、アレクサンドロスの影武者ヘファイスティオンが、アレクサンドロスの体を乗っ取ったものとして登場。なんだそれ。ってちょう面白そう。次がよめるのが、又来年ということが寂しい。

ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)


[][][][]微子第十八を読む(その3) 20:06 はてなブックマーク - 微子第十八を読む(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

楚の狂接輿歌って孔子を過り

 微子第十八(461~471)

465 楚狂接輿。歌而過孔子曰。鳳兮鳳兮。何徳之衰。往者不可諫。来者猶可追。已而已而。今之従政者殆而。孔子下欲与之言。趨而辟之。不得与之言。

(訓)楚の狂、接輿、歌って孔子を過(よぎ)りて曰く、鳳や鳳や、何ぞ徳の衰えたる。往きし者は諫むるべからず、来る者は猶お追うべし。已まんのみ已まんのみ。今の政に従う者は殆し。孔子下りてこれと言わんと欲す。趨りてこれを辟(さ)け、これと言うを得ざりき。

(新)楚国の変り者の接輿が、歌いながら孔子の門に立ち寄った。曰く、鳳凰が来たとき、鳳凰が来たとき。こんな衰えた世に、何しに来た。過ぎ去ったことは手直しがきかぬ。これからのことなら、まだ間にあう。よしたがよい、よすがよい。政治などに手出しをすると、ろくなことはない。孔子がそれを耳にし、もっと話を聞こうと、堂から下りて門前に出たが、接輿はもう小走りに足を早めて立ち去ったあとで、つかまらなった。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 科挙にこれ出題されたのでしょうか。みんなこれを知っていれば、官僚に腐敗が横行する現実のほうがおかしいと思います。


 接輿の話は『荘子』にも登場します。というか、ほとんど同じ話なんですけれども。

荘子 内篇

第四 人間世篇

 孔子、楚に適(ゆ)く。楚の狂接輿、其の門に遊びて曰く、「鳳や鳳や、何如ぞ徳の衰えたるや。来世は待つ可からず。往世は追う可からざるなり。天下に道有れば、聖人成し、天下に道無ければ、聖人生く。方今の時は、僅かに刑を免かれんのみ。福は羽よりも軽きに、之を載するを知る莫し。禍は地よりも重きに、之を避くるを知る莫し。已みなんかな、已みなんかな、人に臨むに徳を以てするは。殆ういかな、殆ういかな、地を画して趨ることは。迷陽よ、迷陽よ、吾が行くを傷つくる無し。吾が行くは郤曲(きゃっきょく)し、吾が足を傷つくる無し。山木は自ら寇するなり、膏火は自ら煎(や)くなり。桂は食(くら)う可し、故に之を伐る。漆は用う可し、故に之を割く。人皆、有用の用を知るも、無用の用を知る莫きなり」と。

森三樹三郎『荘子』Ⅰ 中公クラシックス

 歌の部分を増やして、孔子が追いかけるシーンをカットすることで、接輿に借りて荘子の意見を述べたのでしょうけれども。