蜀犬 日に吠ゆ

2010-06-03

[][][]古今和歌集を読む 春歌上(その4) 22:54 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 春歌上(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

春歌上

雪の木にふりかゝれるをよめる   素性法師

6 春たてば花とや見らむ 白雪のかゝれる枝にうぐひすの鳴く

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

6 雪の―雪が。「ふりかゝれる」に係る。 二(鶯が枝の雪を)花と見ているのだろうか。「見らむ」は「見るらむ」の古い言い方。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 鶯好きなんですね。花は勿論梅の花。


春歌上

題しらず   よみ人しらず

7 心ざし深くそめてしをりければ 消えあへぬ雪の花と見ゆらん


 ある人のいはく、さきのおほきおほいまうちぎみの歌なり

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

7 三a折りけらば、b居りければ、の二説あるが、aによる。だれが折ったのか、雪が花のようについている枝がおいてあるのを、見ての作とする。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

[][][][]子張第十九を読む(その2) 22:47 はてなブックマーク - 子張第十九を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

子夏の門人、交わりを子張に問う。

 子張第十九(472~496)

474 子夏之門人。問交於子張。子張曰。子夏云何。対曰。子夏曰。可者与之。其不可者拒之。子張曰。異乎吾所聞。君子尊賢而容衆。嘉善而矜不能。我之大賢与。於人何所不容。我之不賢与。人将拒我。如之何其拒人也。

(訓)子夏の門人、交わりを子張に問う。子張曰く、子夏は何とか云える。対えて曰く、子夏の曰えるは、可なる者はこれに与し、其の不可なる者はこれを拒め、とあり。子張曰く、吾が聞ける所に異なり。君子は賢を尊んで衆を容れ、善を嘉(よ)みして不能を矜(あわれ)む、と。我の大賢なるか。人に於いて何の容れざる所ぞ。我の不賢なるか。人将に我を拒まんとす。これを如何ぞ其れ人を拒まんや。

(新)子夏の門人が、子張に交際の心得を尋ねた。子張曰く、君の先生の子夏は何と言ったか。対えて曰く、子夏が曰われるには、良い人を選んで交際し、不適当な人は避けて交際するな、ということでした。子張曰く、私が(孔子から)聞いたのは、それと違う。お前たちは賢者を尊敬すると同時に大衆を包容し、善人を賞讃すると同時に足りない人間を憐れめ、と教えられたが、その通りだと思う。もし此方が大賢人であったなら、どんな他人でも包容できぬはずはない。もし此方が愚者であったなら、向うの方から排斥されてしまう。此方から他人を寄せつけぬどころではないでしょう。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 子張は子夏より3歳年下ですが、世代的には同時代と見てよいでしょう。子路ら孔子と同年代の弟子たちの世代、子貢や顔回ら苦難の旅に随行した世代より、もう一つ下の世代です。

 子夏がすでに一門を構えて門人を指導していると言うことは、孔子すでに世を去った、さらに子貢や冉求らもいない位の時代であるかもしれません。


 話の内容は、人の上に立つ者は人の好き嫌いなど言っている暇はない、ということでしょう。初学の者には、つくべき師、見習うべき先輩をよく見極めよ、というアドバイスもありだとは思います。