蜀犬 日に吠ゆ

2010-06-16

[][]高島俊男『お言葉ですが…』別巻123 連合出版 20:00 はてなブックマーク - 高島俊男『お言葉ですが…』別巻123 連合出版 - 蜀犬 日に吠ゆ

 高島先生の『お言葉ですが…』11巻の文庫版がなかなか出ないなあ……と、思いつつ、横目で単行本は「別巻」が出てるよ……と思いつつ、はやく文庫本、はやく文庫本……と思いつつ暮らしていました。

 そうしたら、この別巻は文春ではなくて連合出版から出されていたのでした。連合出版が文庫本を出しているのか分からないし、海無し県のど田舎では入手が難しいであろうことから、涙をのんで単行本を購入。

お言葉ですが…〈別巻1〉

お言葉ですが…〈別巻1〉

お言葉ですが…〈別巻2〉

お言葉ですが…〈別巻2〉

お言葉ですが…〈別巻3〉漢字検定のアホらしさ

お言葉ですが…〈別巻3〉漢字検定のアホらしさ

 そうしたら、さらに驚いたことに、『お言葉ですが…』の11巻も、連合出版から出版されています! 文春と何かやらかしたのでしょうか、高島先生。

 この「別巻」は、今まで収録されていなかった原稿をあつめてつくったもので、長い話から短い話から、重複するような話題もあり、発表年代も1991年から2009年まで実にさまざま。まあ高島先生のことですから、たとえば「日本における漢字」の話とか、漱石の話とかいつもの話題はいつもの感じ。


 しかし、そうすると連合出版の『お言葉ですが…』11巻をどこかで見つけてこないといけないわけで、大変そうですなあ。



[][][]古今和歌集を読む 春歌上(その7) 20:39 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 春歌上(その7) - 蜀犬 日に吠ゆ

春歌上

    紀とものり

13 花の香を 風のたよりにたぐへてぞ 鶯さそふしるべには遣る

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

13 二三風という使者につれそわせて 四五谷から鶯を誘い出す案内者としては遣る。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 「たぐへる」もしくは「たぐふ」という言葉は知りませんでした。そばを「たぐる」とは、関係ないでしょうねえ。

 花が香る季節になったよ、鶯もはやく来てね。という気持ちですね。これはいい歌。(われながらしつれいですねえ。)



[][][][]子張第十九を読む(その16) 19:39 はてなブックマーク - 子張第十九を読む(その16) - 蜀犬 日に吠ゆ

仲尼は焉にか学べる

 子張第十九(472~496)

493 衛公孫朝。問於子貢曰。仲尼焉学。子貢曰。文武之道。未墜於地。在人。賢者識其大者。不賢者識其小者。莫不有文武之道焉。夫子焉不学。而亦何常師之有。

(訓)衛の公孫朝、子貢に問うて曰く、仲尼は焉(いずく)にか学べる。子貢曰く、文武の道、未だ地に墜ちず、人に在り。賢者は其の大なる者を識り、不賢者は其の小なる者を識る。文武の道あらざることなし。夫子焉にかまなばざるあらん。而して亦た何の常師(じょうし)かこれ有らん。

(新)衛の公孫朝が子貢に尋ねた。孔子は誰から学問を受けられましたか。子貢曰く、周の文王、武王が残した道は全く滅びたのでなく、人民の間に保存されています。賢者はその中から大きなものを発見し、劣った者はその中の小さいものしか見出せない、という相違はありますが、どれも文武の道の保存されたものでないものはありません。先生がどうしてそれを学ばずにおくものでしょうか。従って別に誰を師匠と定めた人はありませんでした。

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

 孔子は文、茲にあらずやと豪語するなど中華文明の正統な継承者であることを誇っていますが、それは、文王武王の礼楽(本当は堯舜禹と言いたいのでしょうけれども)が散逸してしまったのをまとめ直したのは自分であるという自信があったから言えた台詞なのでしょう。ですから、孔子は誰か一人の学説を継承して、次の世代にバトンタッチするだけの存在ではなかったのだと、そういうことですね。

 子貢、やはり孔子先生崇拝が尋常でない。