蜀犬 日に吠ゆ

2010-07-15

[][][]古今和歌集を読む 春歌上(その1421:23 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 春歌上(その14) - 蜀犬 日に吠ゆ

春歌上

   鴈のこゑをきゝて、越(こし)にまかりける人を思ひて

   よめる       凡河内躬恒


30 春くればかりかへるなり 白雲の道行きぶりに言(こと)やつてまし

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

30 越にまかりける人―北陸地方に行った友。 三~五雁は白雲の道を行くが、地上の道を行くのなら、道の出合いに友への言伝てをしようかなあ

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 地上の道を行くわけではないでしょう。伊勢物語の「都鳥」に近い発想ですね。


春歌上

   帰る鴈をよめる   伊勢


31 春霞たつを見すててゆくかりは 花なき里に住みやならへる

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

31 一二これから美しい花の時節になるのに、それを見ようともしないで帰ってしまう。 五住みなれているのか。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 これだから雁ってのは風情を解しない下等動物、云々。って、お伊勢さん、それはあんまりですよ。天地の運行を見れば、雁が帰ってゆくから花の季節が来ると言えないこともないわけですから、雁が帰った方がいいのですよ。


春歌上

   題しらず   よみ人しらず


32 折りつれば袖こそにほへ 梅の花ありとや こゝに鶯の鳴く

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

32 一二梅の花を折ったから、袖は匂ふけれど、花なんかないのに。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 鶯がバカだから騙されて寄ってきたぞ、と。平安時代の人々はやはりなんでしょう、花鳥風月のことがキライなんでしょうか。

 あと、三十一文字が五七五七七ではなくて五七五四三七ですね。最初読むときかなりつかえました。