蜀犬 日に吠ゆ

2010-07-18

[][][]古今和歌集を読む 春歌上(その15) 19:43 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 春歌上(その15) - 蜀犬 日に吠ゆ

春歌上


33 色よりも香こそあはれとおもほゆれ たが袖ふれしやどの梅ぞも

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

33 四五誰か身分ある人の袖の移り香と考えた。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 芸術にことよせたおもねりだ! さすが社交の文学ですね。


春歌上


34 やど近く梅の花うゑじ あぢきなくまつ人の香にあやまたれけり

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

34 二梅の花を植えまい。植えてまずかったの意。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 あの人の香がする、と、ますますやきもきしてしまうということで、平安期の貴人は梅の香りを漂わせていたことが分かります。薫大将や匂宮は、香木の香だったような記憶がありますが、記憶不鮮明。まあそういう発想は『源氏』以前からあったということが分かります。


 で、思い出したのは、「ムハンマドの体臭は薔薇の香り」のはなし。

 これ、民間伝承。

「トルコ人」画家ブルサル・スィナンの筆によるメフメト2世の肖像画

 バラの香りは預言者ムハンマドの汗の臭いといわれる。左手に握っているハンカチは王者の印。1475年ころ。トプカプ宮殿博物館蔵 (c)大村次郷

永田雄三/羽田正『成熟のイスラーム社会』中央公論社

 所変われば花変わる。