蜀犬 日に吠ゆ

2010-07-20

[][][]古今和歌集を読む 夏歌(その1) 19:32 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 夏歌(その1) - 蜀犬 日に吠ゆ

 というわけで、飛んで夏歌。

夏歌

   題しらず   読人しらず


135 わがやどの池の藤なみさきにけり 山郭公(やまほとゝぎす)いつかきなかむ

   この歌ある人のいはく、かきのもとの人まろがなり

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

135 二池のそばの藤。藤のことを藤波といって、「池」と「さき」とに縁をもたせた。波の立つのを「さく」ともいう。 五いつ来て鳴くだろうか。早く来て鳴けばいいな。 ○人まろが―人麿の歌、の意。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 郭公(ほととぎす)ぅ? と疑問に思ったので歳時記を見る。一体山郭公とはホトトギスなのか、それとも山がつくとカッコウなのか。

時鳥

杜鵑

蜀魂

杜宇

不如帰

子規

新潮社編『俳諧歳時記 夏』新潮文庫
時鳥

「ほととぎす」の字は上掲の如くいろいろに書かれているが、この中「時鳥」が最も一般的である。古くは「郭公」の字を当てていたこともあるが、「郭公」は「閑古鳥」のことで、今ではほととぎすに用いない。

新潮社編『俳諧歳時記 夏』新潮文庫

 というわけで、『古今』の山郭公はホトトギスのことであると考えられそうです。

俳諧歳時記 夏 (新潮文庫 し 22-3)

俳諧歳時記 夏 (新潮文庫 し 22-3)

 いつから「郭公」は郭公になったのでしょうね。音読みを見るに郭公ははじめからカッコウでもよさそうではありますが。


[][][]古今和歌集を読む 春歌上(その16) 19:32 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 春歌上(その16) - 蜀犬 日に吠ゆ

 これだけ暑い最中ですとまるきり情感が湧いてきませんが、夏歌まではまだ遠い。

春歌上


35 梅の花立ちよるばかりありしより 人のとがむる香にぞしみぬる

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

35 四五あの人が、あれッ、これはだれの袖の移り香かと思うような香にそまってしまった。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 たぶんですけど、自意識過剰。そもそも平安貴族の衣は香木でたきしめてあるので梅林をぬけたとて、移り香しますかねえ。