蜀犬 日に吠ゆ

2010-08-01

[][][]古今和歌集を読む 夏歌(その11) 16:45 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 夏歌(その11) - 蜀犬 日に吠ゆ

夏歌


154 夜や暗き 道やまどへる 郭公 わがやどをしも過ぎがてに鳴く

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

154 一夜が暗くて動けないのか。 二道がわからなくなったのか。 四五いくらも場所はあろうに、わが宿を過ぎかねて鳴いている。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 ホトトギスは、夜も鳴くものなのでしょうか。それとも普段鳴かない夜中に鳴くのでこうした歌が生まれたのでしょうか。まあもちろん、(観念的に)暗くて身動きとれなかったり、道に迷っているのは作者なのですけれどもね。


夏歌

     大江千里


155 やどりせし花橘も枯れなくに など郭公こゑたえぬらん

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

155 三枯れないのに。 四五どうして郭公は声が絶えてしまっているのだろう。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 「夏が来たのに、どうして鳴かないんだ、ホトトギス」などと待望され、鳴けば鳴いたで「鳴き始めの、まだ慣れてない頃の声がよかったなあ」「物思いがつのるから、どうかないてくれるな」などといわれ、いよいよ「まだ夏は終わっていないのに、もう声が聞こえないよ」などと、本当に日本人は身勝手ですねえ。