蜀犬 日に吠ゆ

2010-08-05

[][][]古今和歌集を読む 夏歌(その1422:28 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 夏歌(その14) - 蜀犬 日に吠ゆ

夏歌

   さぶらひにて、をのこどもの酒たうべけるに、めし

   て「郭公まつうたよめ」とありければよめる   みつね


161 郭公こゑもきこえず 山彦は 外になく音(ね)をこたへやはせぬ

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

161 さぶらひ―殿上人たちの控の間。 ○をのこ―殿上人。 三~五山彦は、郭公が他の場所で鳴く声をここへ反響させないか。そうしてくれたらいいのに。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 「ホトトギス待つ歌」ではなくて、「山彦待つ歌」になってしまっているではないですか。観光地にスピーカを仕込んでそれっぽい BGM 鳴らせばいいや、という気分ですかね。

 でも、そういうものですよね。ホトトギスの実体とか、そういうのを本当は求めているわけじゃないんですよね。「おれのために鳴く都合のいい鳥」の、その鳴き声しかほしくないんですよ。平安貴族は下衆だから。「声も、姿も、餌代も、いい部分も悪い部分も全部受けとめて、それでもホトトギスが好きだ!」とまでは、絶対に踏み込まない。

 自然とふれあうキャンプに出かけて排ガスだのポイ捨てだので環境を破壊する発想は、実は根深いんですね。

 しかし、日本の伝統の精粋とも言える古典に接してこんな感想しか持てない自分もだいぶおかしい。